有力候補の若年層支援策に驚愕

 そんな3人が大統領選挙を見越して、若年層への支援拡充について相次いで発言している。

 李在明氏は、高卒者に対する支援拡充を目的に「世界旅行費1000万ウォン(日本円で約96万円)」の支給を提案した。「世界を見せる」という意図のようだが、「何のための支給かさっぱりわからない」「ただのバラマキだ」などと批判が出ると、自らのSNSを通じて「公約や政策としてではなく、アイデアの一つとして述べたまでだ」と釈明した。

 李洛淵氏も自身のYouTubeチャンネル「李洛淵TV」で兵役を終えた男性に対して、社会での自立支援として3000万ウォン(日本円で約290万円)の支給を提案するとともに、33歳以下の単身一人暮らしの若年層に住居費を支援すると述べている。

 そして、丁氏は少子化対策に歯止めをかけるとして「未来種通帳」なるものを設け、新生児が社会人になった時に自立した生活を送る基盤を築けるように、20年積立型で1億ウォン(同約967万円)を支援すると表明している。

 この3人は韓国政界ではベテランだが、朴氏や文氏の大統領就任前と比較すると小粒感が否めない。また、現在の文在寅政権に対する国民の不満や怒りはかなりのものがある。今後、文大統領の在任中にさらなる不正やスキャンダル、失策などが出れば、与党側は選挙戦の直前まで候補者擁立に苦慮するのではないか。

 前回の大統領選挙では朴槿恵前大統領のスキャンダルがあったため、与党側(当時は野党)は選挙戦を優位に展開できたが、今のままでは文在寅大統領の4年間の失政を野党側より厳しく糾弾されることは必至だ。

 特に、ソウル・釜山両都市の市長選挙では、10代(満18歳以上)から30代の若年層の半数以上が野党候補に投票をした。若年層の文政権、与党に対する嫌悪感は根強い。前述の3人の発言や支援案からは、若年層からつきつけられている与党不支持という現実や焦りを感じる。