(舛添 要一:国際政治学者)

 6月11日から13日まで、イギリスのコーンウォールでG7が行われている。新型コロナウイルスの感染拡大で昨年はリモートでの会合であったが、今年は対面で行われている。菅義偉首相もこれに出席するため、10日に羽田から政府専用機で飛び立った。

G7「影の主役」は中国

 今回のサミットの「影の主役」は中国である。軍事的にも、経済的にも巨大化する専制国家、中国に対して、民主主義諸国がどう対応していくのかということが、G7の最大のテーマである。

 アメリカが覇権国として世界を支配する体制、つまりパックス・アメリカーナは今なお健在である。1980年代のバブルの頃は、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」などともてはやされた日本が、アメリカを凌駕し、パックス・ジャポニカを形成するのではないかという観測すらあった。しかし、バブルが崩壊するとともに、日本礼賛論は姿を消し、日本の長期的凋落に歯止めがかからなくなっている。

 一方、東西冷戦の敗者、ソ連邦は解体され、プーチン大統領の指揮の下、ロシアは再興への道を歩んでいるが、その道のりは、長くて厳しい。核兵器を保有する軍事大国であるが、経済力などアメリカに伍するだけの力は持っていない。

 中国は、1978年12月、鄧小平の指導によって「改革開放」政策が決められ、市場経済原則を採り入れて、目覚ましい経済発展を遂げてきた。今や、GDPで日本を追い抜いて、アメリカに次ぐ世界第2位の地位にまで来ている。

 現在の中国を率いる習近平主席は、外交面で「一帯一路」政策を掲げ、世界中に拠点を設けようとしている。G7の中でも、イタリアはこの構想に協力的で、中国との交流が深まっている。それが仇となって、イタリアでは昨年、新型コロナウイルス感染拡大につながったのである。これまでに、感染者は423万人、死者は12万6000人にのぼっている。