日本のメディアでも大きく報じられたが、2021年6月11日、韓国の第一野党の代表に36歳で国会議員に当選した経験がない李俊錫(イ・ジュンソク=1985年生)氏が当選した。

 来年に大統領選挙を控えた韓国の政界に衝撃を与えているだけでなく、社会全体で大きな話題になっている。

 6月13日の日曜日。代表就任後、初めての党本部への「出勤」は軽やかだった。

自転車で初出勤

 ソウル市内の自宅から地下鉄を乗り継いで国会や党本部がある汝矣島(ヨイド)駅に着くと、ソウル市が運営するレンタル自転車に乗って登場した。

 黒塗りのハイヤーの後部座席から降り立つ「重鎮政治家」とは対照的な姿を見せつけた。

 同時に先輩議員に会う際には深々と頭を下げて挨拶を交わす。発言も明快にして慎重で、36歳にして政界経験が10年という老練ぶりも見せた。

 代表になった「国民の力」は国会に100を超える議席を持つ巨大保守政党だ。

 韓国メディアによると、国民の力の従来の支持基盤は圧倒的に中高齢層だ。党員の年齢分布を見ても、60代以上が42%、50代が31%を占めている。

 にもかかわらず、李俊錫氏が圧勝したのは、それだけ党周辺に危機感が強かったからだ。

 保守陣営は、朴槿恵前大統領(パク・クネ=1952年生)の弾劾後もなかなか党勢を回復できなかった。地方選や国会議員選挙で敗退を重ねていた。

 弾劾に対する批判に対して「強硬派」が「弾劾は不当だった」などと主張して、さらに支持が低迷する悪循環に陥っていた。

 そこに登場したのが、李俊錫氏だった。