バイデン政権の親韓政策には裏があるか

 筆者は、米国は開発の遅れた国を助け、世界中を民主主義国にしたいのだと考えている。それが彼らの正義だと。

 その背景には、大英帝国によるお茶の関税のいい加減さに怒って始まったボストン茶会事件がある。また、米国はキリスト教徒によって建国されており、聖書に忠実で、弱者を助けるという発想を持ち続けている。

 東アジアで言えば、第二次大戦前には日本に侵略された中国を救うべく援蒋ルートで支援した。第二次世界大戦後も、オバマ政権の途中までは、民主主義国になることを期待して中国を支援した。残念ながら、中国は米国の期待通りにはならなかったので、今は米中対立となっているが、それは結果論に過ぎない。

 同様に、米国は韓国を支援することを正義だと思っている。第一次安倍政権の時、安倍首相の靖国参拝を止めたのはバイデン副大統領(当時)であり、参拝後に安倍首相に怒ったのも彼だ。米国は日本の経済力を前提に重要な同盟国だとしているが、韓国はそれとは比較にならない意味で、発展を支援したい国と捉えている。韓国は今も、以前の中国と同じなのだ。

 しかも、仮に韓国がICBM(大陸間弾道ミサイル)を開発しても、核拡散防止条約(NPT)の加盟国であり、基本的には韓国が核ミサイルを保有するリスクはない。中国と北朝鮮の存在を前提とすれば、簡単に反米に傾くことはないだろう。

 文大統領に対する評価も、少なくとも米国の専門家の間では、北に対して太陽政策を採った金大中氏、廬武鉉氏に次いで三番目のプログレッシブ(進歩派)大統領だというもので、決して、親中にシフトしたとは見てない。

 従って、バイデン政権としては、韓国に対して具体的に何かを期待するというよりも、北朝鮮との融和を進める際のドライバーになって欲しいだけだ。それ自体は文大統領であれ、次の大統領であれウェルカムだろう。