1.悪意ある先島諸島への接近飛行

 中国空軍の情報収集機や対潜哨戒機が、宮古海峡を通過して日本の先島諸島(宮古島・石垣島・西表島・与那国島など)の南側に回り込んで接近し、自衛隊の軍事情報を収集している。

 図1の飛行航跡にあるとおり、公海上とはいえ軍用機が日本の領土である離島に極めて接近し、軍事的緊張を高めかねない極めて悪意ある行為だ。

 2017年12月、2018年6月、2019年5月、2020年9月、2021年4月の5回で、平均的に年に1回だ。回数としては多くはないが、軍に関する事項の情報収集を行っていることは、日本防衛上、特に警戒すべき事項である。

左:情報収集機、右:対潜哨戒機

 これら5回の動きをみると、2017〜2018年は宮古島・石垣島から150〜180キロの付近まで、2019年は同じ島に100キロ付近まで接近している。

 2020年は与那国島の90キロまで、2021年は与那国島を狙って直進し、60〜70キロまで接近した。この離隔距離は、防空ミサイルの射程内にも入る。

 100キロまで接近すると、軍の短距離通信(ボイス通信)を含めた各種通信を傍受することができる。

図1:左から2018年、2020年、2021の飛行航跡

 情報収集機の接近飛行は、戦闘機の接近と異なり威嚇飛行ではない。明らかに、先島諸島に配備されている部隊や兵器の電波情報を収集している。

 2021年4月の飛行航跡が示すように、与那国島を焦点に飛行している。

 電波情報を解析すれば、先島諸島に配備されている部隊や兵器などの軍事情報を解明することができる。