(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)

 東京オリンピックの前半戦で、国民の大きな関心を集め、報道で最も盛り上がったのは、やはり柔道だったといえよう。

 日本勢は周知のように個人戦で男女合わせて金メダル9個を獲得した。新記録だった。

 東京オリンピックでは日本の柔道選手たちの大活躍とともに、柔道の国際普及ぶりに改めて驚嘆させられた。日本で生まれてこれほど全世界に広まり、愛されているスポーツはまず他にないだろう。

 たとえば今回のオリンピックでは、コソボというバルカン半島の小さな国の女子選手が2人も金メダルを獲得した。台湾の男子選手も決勝戦まで勝ち上がって銀メダルを得た。コソボも台湾も、日ごろはあまり国際社会の主舞台に出てこない国や地域である。

 主要国の柔道選手の活躍も目覚ましかった。男女混合団体戦で日本を完全に撃破したフランスは、日本の4倍もの柔道人口を抱えた古参である。イギリスもドイツもブラジルもロシアも活躍が目立った。アメリカは今回、上位に出てこなかったが、登場選手たちはカナダ、中国、韓国と、文字通りグローバルだった。今さらながら日本で誕生した柔道の国際化を痛感させられた。