韓国で改革が進まない理由

 韓国の大統領は国をまとめられない。その支持者と非支持者はいつも対立していて、そのなかで国が常に混乱の状態にある。両者が相手に向ける批判の声は大きいが、結局のところ社会の大きな枠組みは何も変わらない。政権が保守系であれ革新系であれ、韓国社会の現状に不満である国民は少なくない。だから大胆な改革が必要だ。

 それを進めるには議論が必要だが、何十年にもわたってどれも失敗している。その原因は、国民のなかでの精神的な分裂にある。国民はまとまることがなく、いつもお互いに足の引っ張り合いをしている。それが韓国の大統領制の限界だ。この制度は韓国の国民感情には合わないのに、それがいかにも正しい政治体制だと誰もが思い込んでいる──。

 なかなか痛烈な政治批判である。改革が遅々として進まないというのは、日本でも思い当たる節が多々あるのだが、オーナーに言わせれば、そもそも国力が違うという。つまり韓国はいつも綱渡りでなんとか発展してきたが、これからは少子高齢化もあり、これまでのようには行かない。しかも、これまで「単一民族国家」を政治的イデオロギーとして使ってきたが、外国から移民者を大量に受け入れているため、数十年したらそのイデオロギーはほとんど無意味になるに違いない。一方、日本はバブル経済崩壊の後遺症に苦しんだが、国力は維持された。韓国と日本は同様の少子高齢化問題を抱えているとはいえ、バブル崩壊でも経済が壊滅せず踏みとどまった経験は日本にとって大きいだろう。

 私には日本の未来が経済的にどうなるかを判断できる知見はないので返答に困っていると、オーナーはこう付け加えた。

「そうした困難を乗り越えるのは、国民がある程度まとまらないとできませんよ。韓国から日本を見ていると、本当にそう思います。その存在が天皇なんじゃないでしょうか。