自民党の総裁選挙と安保論議

 自民党の総裁選が最終段階に入っている。候補者が4人になり、政策論争が活発になされていることは評価したい。

 その政策論争で気になったのが安全保障に関する各候補の主張である。

 安全保障に関する主張で一番積極的な主張を展開したのは明らかに高市早苗議員であった。

「憲法改正が必要だ」「実効的な抑止と対処に必要な能力をわが国が保有し、日米同盟で補完する」と述べたが、日本の防衛力強化に力点を置く主張は適切だ。

 米軍が中国を念頭に配備を検討する中距離ミサイルについても「日本国を守るために必要で積極的にお願いしたい」という主張も評価できる。

 しかし、高市議員の発言で気になったのは、「敵基地を一刻も早く無力化した方が勝ちだ。使えるツールは電磁波や衛星ということになる」という発言だ。

 敵基地を無力化するツールとしての電磁波とは何か、衛星とは何なのかについて高市議員は明確に説明していないし、マスメディアもこの点に関して追及していない。

 まず、敵基地を直接無力化できる衛星兵器は存在しない。

 SFのように人工衛星に搭載したエネルギー兵器で、宇宙から相手の地上基地を無力化できれば理想的だが、そのような兵器は存在しない。

 高市議員が言及した衛星は、地上の目標に関する情報を入手するセンサーとしての役割や地上の作戦を指揮統制する衛星の機能について言及したのであろう。

 問題は敵基地を無力化するツールとしての電磁波とは何であるかだ。本稿においては、その点を焦点として記述する。