(羽田真代:在韓ビジネスライター)

※以下の記事には、ネットフリックスのドラマ「イカゲーム」の内容が含まれています。ネタバレを望まない方はドラマを見てからお読みください。

 世界的に大ヒットとなっているネットフリックスオリジナルドラマの『イカゲーム』。このドラマは、総勢456人が自らの命をかけて賞金争いをする模様を描いた韓国ドラマで、ネットフリックス史上、最も視聴者数が多い作品となるほどの人気を博している。

 韓国現地では、「米CNNが『本当に最高だ』と絶賛した」「イカゲームは投資額の約4倍もの価値を生み出した」「イカゲームが米国務省の外交電文にまで登場した」と、ニュースに取り上げられない日がない。映画『パラサイト 半地下の家族』以来のお祭り騒ぎである。

 しかし、世界からの評価を韓国は素直に喜んでいいものだろうか。

 米外交官は、「イカゲームの暗い物語の中心には、就職と結婚、そして階層を上がるために孤軍奮闘する、韓国の平凡な老若男女が感じる挫折感が描かれている。これは暗鬱な経済展望が韓国社会の悩みの中心にあるということを立証している」と指摘している(参考記事)。

 フランスの有力日刊紙であるル・モンドも、「『イカゲーム』の背景に隠れた韓国社会の暴力」という題名のオンラインニュースで、「韓国社会が抱いている残酷な現実を反映したもの。失敗すれば銃で撃たれるという事実が、韓国社会に深い響きを与えた」と分析した。

 加えて、ル・モンドは韓国の家計負債が国内総生産(GDP)の100%を上回り、2014年から2018年の間に、ソウル麻浦(マポ)大橋で自ら命を絶った800人余りの大多数が借金に窮したことが原因だったこと、また新型コロナウイルスの影響によって就職難に陥った若者が借金を返そうとオンライン賭博や仮想通貨の投資に手を出している問題についても紹介している。

 映画『パラサイト 半地下の家族』でもわかるように、韓国の貧富の格差は大きい。