(平井 敏晴:韓国・漢陽女子大学助教授)

 ある医療機関でのクラスター発生が、「ウィズコロナ」に転換しようとしている韓国社会に大きな衝撃を与えている。

 そこは、終末期患者に医療サービスを提供するホスピス病棟である。陽性患者が初めて確認されてから約1週間で、職員と患者をあわせて80人が感染した。

 保健当局の調べによると、10月7日から病院で「看病人」として働き始めた中国籍の60代の男性から感染が広がったとされている。

 この男性はPCR検査の陰性証明を病院に提示したが、勤務直前にソウル市内の保健当局が再検査したところ、陽性であることが判明した。陽性の結果が男性に伝えられたのは、ホスピス勤務の初日だった。ところが男性は、そのことを病院側に伝えず、5日間にわたってホスピスで働き続けたのだ。