しかし、イジュームこそ陥落したものの、ウクライナ軍は頑強に抵抗した上、ロシア軍がハルキウの防衛戦力をイジューム方面に転用することを防ぐために、ロシア軍がハルキウ北方に残した軍をほぼ駆逐しました。

 そのため、ウクライナ軍がイジューム方面へのロシア軍の補給路であるベルゴロド・イジューム間の道路を砲撃できる位置まで前進しており、キーウ北方での戦闘と同様に、間接的にイジューム方面のロシア軍を弱体化させることで、ドネツィク・ルハンシク正面の戦闘も、戦況はウクライナ側に傾きつつあります。

 現在、戦闘の焦点はルハンシク北のセベロドネツクになっており、激戦が続いています。

 しかし、ウクライナ軍の反攻らしい反攻はこの方面に限られており、包囲が続くマリウポリの解放やロシアが編入を画策しているヘルソン方面での戦況は停滞したままです。

ドネツィク・ルハンシクとクリミア奪還の可能性

 ウクライナがドネツィク・ルハンシクおよびクリミアを軍事的に奪還する可能性はあるでしょうか。それぞれの地域を奪還できる可能性を見ていきましょう。

(1)ドネツィク・ルハンシク

 ロシアが大規模動員をかける、あるいは化学兵器や核兵器を使用するといった大きな戦略転換を図らない場合、欧米の経済制裁などの影響もあるため、ロシア軍の兵員・士気・補給問題は徐々に悪化し、次第に戦況はウクライナ側に傾くと思われます。そのため、2014年からロシアが占領を続ける東部ウクライナ、2月24日までの支配地域を超え、本来の国境線まで奪還できる可能性はあるでしょう。