ただし、それにはかなりの時間を要します。また、欧米諸国がウクライナ支援を継続する必要があります。ウクライナ国民、軍の戦意は旺盛ですが、ミサイルを含めた武器弾薬は厳しい状況が続いているからです。特に防空能力は枯渇の危機にあるようです。支援が途絶えれば、逆に、いまだに大量の兵器を保有するロシア軍が支配地域を拡大する可能性もあります。

(2)クリミア

 戦略環境が大きく変わらなければ、クリミア奪還も不可能ではありません。ただしそれは、へルソン州などを奪還し、マリウポリを開放した後になるでしょう。ドネツィク・ルハンシクなどの東部ウクライナよりも、さらに後になる可能性が大です。

 また、ドネツィク・ルハンシクの奪還は、現在ウクライナ側が展開している戦闘によって可能と考えらえますが、クリミアの奪還には、今までと異なる戦術が必要になります。

 クリミアは、地図を見ると島のようにも見えますが、ペレコープ地峡と呼ばれる幅5キロから7キロ、長さ30キロメートルにもなる狭い地域でつながった半島です。奪還するためには、このペレコープ地峡を抜けなければなりません。

 現在、ウクライナ東部で展開されている戦術でここを抜けようとした場合、当然激戦となり、ウクライナ側にも相当の死傷者が発生するでしょう。現在の砲撃や特殊部隊の攻撃では、ロシアの補給路を脅かすことが困難であるためです。

 しかしながら、以下の作戦によって補給路を叩くことは可能です。作戦のコンセプトは、今までと同様に、ロシア軍の補給路を狙うことです。