ペロシ訪台に複雑な思いの台湾系米国人

 ナンシー・ペロシ米下院議長の訪台以後、想定通り、真剣味を帯びた中国の軍事演習ショーが繰り広げられている。

(米国内には「カブキ・プレー」*1と見る向きもないことはないが)

*1=カブキ・プレー(Kabuki Play)とは、欧米外交用語で、中身よりも見るものを引き付けるショーマンシップを指す。この場合は、中国が台湾を攻撃するのではなく、その軍事力を誇示することを意味している。

 しかし、米メディアが周章狼狽(しゅうしょうろうばい、パニック)しているふうには見えない。

「やりたきゃ、やんなさいよ。けど、本気を出したら第7艦隊が控えているよ」といった感じだ。

 飽きっぽい米国民は、もう「台湾」に対する関心はなくなりつつある。

 ペロシ氏の地元サンフランシスコ・チャイナタウンの台湾系住民も同氏の訪台には「感謝」しつつも、複雑な思いのようだ。

 ある台湾系市議会議員はこちらもアジア系(つまり白人ではない)であることもあってか、筆者に本音を漏らす。

「中国系だか、台湾系だかも(チャイニーズだか、ジャパニーズの違いも)見分けのつかぬ白人至上主義の白人どものヘイトクライム(人種嫌悪に基づく犯罪)がこれでかえって増幅する方が心配だよ」

 こうしたアジア系の戸惑いはペロシ氏には分かるまい。