各地で始まっている新型コロナウイルスワクチンの高齢者への接種予約。2021年5月17日からは、政府が東京と大阪に設置する大規模会場分の予約受付がスタートした。

複数の報道によると、大阪では予約可能だった1週間分、2万5000件が25分ほどで受け付け終了。東京では開始から45分間で2万件超の予約が入るなど、まるでアイドルのライブチケットのような争奪戦が繰り広げられている。一方、インターネット上での予約が高齢者にとってはネックとなり、子どもが代わりに行うケースが多いようだ。

ヒャダイン「予約という行為に必死」

音楽プロデューサーのヒャダインこと前山田健一さんは、21年5月17日に自身のツイッターアカウントに「両親のワクチン接種予約が取れました。かなりホッとしています」と書き込んだ。どうやら代行予約をしたようだ。

「久しぶりに予約という行為に必死になりました」

と振り返っている。

ツイッターを見ると、朝からパソコン前で待機し、親のために家族総出で申し込みにトライする投稿者が続出している。予約を取るためにわざわざ有休を取得して臨む人も、複数見られた。

17日に始まった大規模会場での接種は、ネット予約のみだ。同日の「TBS NEWS」は、申込方法が分からず、直接接種会場に尋ねに来た高齢者がいたと報じている。また、自宅にネット環境がなく「直接予約を取りに来た」人も。

金銭や個人情報求められても応じてはダメ

予約をめぐる混乱に乗じた詐欺も増えている。国民生活センターの発表によると、ワクチン詐欺が疑われる相談件数は、21年5月12日時点で全国の消費生活センター等に少なくとも92件寄せられている。接種の予約代行をうたった事例まで発生した。

例えば、40代男性の自宅マンションに、「ワクチン接種の予約代行をする」と市職員を名乗った男性が訪ねてきた。男性が部署名や名前を確認しようとすると、ごまかして帰ったとのことだ。

勘違いからトラブルになる場合も。80代の母親のもとに、自治体の職員を名乗る人物から電話があった。電話口で住所の確認をされ、接種に関する説明を受ける約束をしたという。実は母親はこの時点で接種の予約をしていなかったが、娘が予約をしたと思い、質問に答えてしまった。

同センターでは、ワクチン接種に便乗した消費者トラブルや「ワクチン詐欺」に関する相談を受け付けるため、今年2月15日より「新型コロナワクチン詐欺 消費者ホットライン」(0120-797-188)を開設している。金銭を求められたり、個人情報を聞かれたりしても応じず、不安な場合はホットラインに相談してほしい。