新型コロナウイルスのワクチン3回目接種が、2021年12月1日から全国で始まった。2回目の接種から原則8か月以上たった医療従事者が対象だ。コロナワクチンは半年程度で効果が薄れるといわれているにもかかわらず、3回目の接種まで8か月の間隔を空けるのは、なぜなのか。

イスラエルは7月から

厚生労働省によると、今月は医療従事者104万人が接種の対象だ。22年1月には、さらに医療従事者200万人が加わり、高齢者も対象になる。3月からは、企業や大学などで行う職域接種が始まる予定だという。

東京新聞によると、3回目接種について同省は、2回目から「8か月以上」経過しての接種を原則とし、例外的に自治体の判断で「6か月以上」に短縮することも可能だとしていた。しかし、全国知事会が11月21日、国に対し、前倒しする際の判断基準を明確にするよう求めたことなどから26日、前倒しの対象は、「クラスター(感染者集団)が発生した医療機関や高齢者施設の入院患者や利用者、医療従事者らに限定する」と発表した。

同省によると、海外では、7月にイスラエルで追加接種が始まった。8月以降、米国や英国などが続いた。追加接種の対象者は、高齢者などの重症化リスクの高い人、重症化リスクの高い人と接触の多い人、ウイルス曝露のリスクが高い人、としている国や機関が多い。対象者は次第に拡大しており、12歳以上全員としている国もある。

TBSによると、英国は新型コロナの「オミクロン株」に備えるため、全ての成人へのワクチンの追加接種を来年1月末までに終える方針を明らかにした。

リスク高い人は「6か月後」から

日本の3回目が、先行する国々に数か月も遅れているのは、1回目の接種時期の差によるところが大きい。厚労省によると、イスラエル、英、米、仏、独などの初回接種は20年12月。日本よりもかなり早い。これらの国々は、いずれも3回目について「初回シリーズ接種完了後から6か月経過」を基準としていた。しかし、実際に始まったのは、おおむね「8か月以上」経過してからだ。したがって日本もこれらの先行国に倣って、リスクの高い人は「6か月後」から、そうでない人は「8か月後」から、にしていると見られる。

「6か月」が一つの基準になったのは、ファイザー社がワクチン接種後の有効性を公表しているからだ。接種後1か月までの「発症予防」効果は88%だったが、5か月後では47%にまで低下するという。しかし、「入院予防」効果(重症化予防効果)については半年後も維持されていた。

つまり、ワクチン接種後、半年たつと感染予防効果は半減するが、感染しても重症化するリスクは少ない。実際、ワクチンを2回打って感染した人(ブレークスルー感染者)に重症者が少ないことから、3回目については各国とも、リスクの高い人のみを前倒しにしている模様だ。

読売新聞によると、政府は、3回目の接種用として来年4〜6月の約5200万回分のワクチンの配送計画も近く公表する。既に発表済みの3月末までと合わせ、計約9400万回分が用意される予定だ。

接種計画は、オミクロン株の動向によっては修正されることもありそうだ。なお松野博一官房長官は12月1日の会見で、「必要があれば、8カ月を待たずして接種を行う範囲について、さらに検討する」と述べた。