【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)は27日公表した対米経済審査で、インフレ上振れリスクを踏まえ、連邦準備制度理事会(FRB)に対し、「少なくとも2024年末まで」利下げを待つ必要があると勧告した。また、インフレ再燃の場合、追加利上げ検討を求められる可能性も指摘した。

 インフレ鈍化の停滞を受け、FRBの利下げ時期を巡る予想が後ずれ。日米金利差が意識され、外国為替市場では円安・ドル高が進行している。円相場は1ドル=160円台に下落し、日本政府・日銀の為替介入に対する警戒感が強まっている。

 IMFは声明で、「持続的なインフレ低下に関する明白な証拠を確認して初めて利下げするのが賢明だ」と指摘。さらに、今後の指標でインフレ加速が示された場合、「利下げバイアスの撤回や追加利上げを真剣に検討する必要がある」と強調した。