式守伊之助に異例の厳罰=時期最悪、過去にも失態―大相撲

 行司の現役最高位でありながら、式守伊之助は自身の引き際を認めてもらうことすら許されなかった。相撲協会は辞職願を預かった上で3場所出場停止の処分を科した。酒席で傷害事件を起こした元横綱日馬富士が引退届を受理されたことと比べても、若手行司へのセクハラ行為に対する懲戒としては、かなり重いといえる。

 元日馬富士の暴行問題の尾を引いていた昨年12月の冬巡業。貴乃花親方(元横綱)に代わって巡業を統率した春日野親方(元関脇栃乃和歌)は関取衆をはじめとする関係者に注意喚起し、巡業先ではあいさつで土俵に立って、陳謝を重ねた。協会全体が再発防止と信頼回復に努める中、またも酒に絡んでの不適切なふるまいがあったことが発覚。協会関係者の多くが「あまりにもタイミングが悪過ぎる」と嘆いた。

 伊之助の酒癖の悪さは角界で広く知られていた。所属部屋の師匠、宮城野親方(元幕内竹葉山)が飲酒すると「正気を失うことがある」と打ち明ければ、八角理事長(元横綱北勝海)も、問題を明らかにした5日に「以前からも酒の席での言動を注意はしていた」と述べ、怒りを隠さなかった。

 2015年の九州場所では、軍配の差し違えが相次いで3日間の出場停止処分を受けたほか、昨年夏場所では喉頭炎のために数日休場し、自己管理責任を問う声が噴出した。「立行司、58歳という年齢を考えても、責任は重い」と八角理事長。立行司が理事会の決議を経て処分を科されるのは極めて異例。失態を重ね、最悪の時期に不祥事を起こしたことで、懲戒を受けた上で退職させられるという厳罰が下った。 

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