住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう! わかる」って盛り上がれるのが、子ども時代にゲラゲラ笑ったテレビ番組の話。活躍する同世代の女性と一緒に、’80年代を振り返ってみましょうーー。

「’70〜’80年代の初め、多くの子どもたちは土曜8時を楽しみにしていて、『8時だョ!全員集合』(’69〜’85年・TBS系)を見なければ、週明けの学校での話題についていけないほどでした」

そう話すのは、世代・トレンド評論家の牛窪恵さん(53)。昨年、志村けんさんの追悼番組などで、あらためてドリフのコントを見て、そんな当時を思い出した人も多かったはずだ。

「’70年代の荒井注さんを知る世代にとって、ドリフの主役は加トちゃんでしょう。一方、志村さんは’74年の荒井さん脱退を機に正式加入。『東村山音頭』(正式名称は『志村けんの全員集合 東村山音頭』)で人気になると、次々にギャグを生み出し、存在感を増していきました。子どもながらに“加トちゃんと志村の仲は大丈夫?”なんて勝手な思い込みで、心配してしまったものです。だからこそ、ヒゲダンスでコンビを組んだときは、驚きとともに喜びもあったのだと思います」

言葉を発さず、音楽に乗せて踊り、生放送でさまざまな大道芸を見せるヒゲダンスは、笑いあり、ハラハラドキドキもあり、全国の小学生がマネをした。



■「生放送ならではの迫力やハプニングが!」

「こうしたライブ感が『全員集合』の魅力でした。毎週、キャラバンのように全国各地の会場へ道具を運び、大掛かりなセットを組んで、多くのお客さんを集める。さらにドリフはビートルズ来日時(’66年)、前座バンドの1つを務めたほど。『全員集合』でも音楽的要素を大切にしており、アイドルたちは楽団による生演奏で歌を披露しました。予算もさることながら、いかりや長介さんという絶対的なリーダーがいて、綿密なリハーサルを行い、計算がされていたからこそ、決められた放送時間内で進行することができたのでしょう」

もちろん、万全の準備をしてもハプニングが起こる。

「コントから歌のコーナーへと舞台転換するとき、スムーズに行かず、アイドルが少し困った顔をしていたのも、ライブの魅力。会場が停電になり、真っ暗なまま生放送が進んだこともあります」

こうしたライブ感こそが、地上波テレビの醍醐味だという。

「インターネット配信の番組や動画に慣れたいまの時代、テレビの魅力は『全員集合』のような生放送の、迫力やハプニング。明石家さんまさんも、そんな側面から生放送にこだわりがあるようです。でも事故も起こりやすいので、スポンサーは敬遠しがち。経費も莫大にかかる。残念ながら『全員集合』のような番組が現れることは、もうないかもしれません」