セミたちが過ぎゆく夏を惜しむように鳴いていた。埼玉県内の住宅街にある寺院。そこに竹内結子さん(享年40)が14歳のときに死に別れた実母は眠っている。

この寺院の近所に住む竹内さんの親戚女性はこうつぶやいた。

「結子が亡くなったばかりのころ、私たちの間では、“もしお墓がないなら、お母さんといっしょのお墓に入ればいいのにね”といった会話もあったのです」

昨年9月27日に竹内結子さんが自ら命を絶ってからもうすぐ1年になる。

「竹内さんは’19年に俳優・中林大樹(36)と再婚。翌年には第2子となった男の子を出産したばかりでした。仕事も順調でしたし、14歳と生後8カ月のお子さんを残しての急逝に、多くの人々が衝撃を受けたのです」(芸能関係者)

2児を1人で育てていくことになった中林にとって激動の日々が始まった。

「竹内さん逝去の翌月の10月には、竹内さんの個人事務所の代表取締役に就任しました。さらに12月に竹内さんといっしょに暮らしていた家賃180万円という低層マンションからタワーマンションに引っ越したと報じられました。“子供たちに早く悲しい出来事を忘れさせたい”という判断もあったのでしょう。

そして今年4月からは長男が高校に進学しました。次男はまだ1歳ですし、コロナ禍での長男の通学や進学のサポートをするのは、父親としての気遣いも並み大抵のものではなかったでしょう」(前出・芸能関係者)

中林の最新出演作は今年3月に公開された『劇場版 奥様は、取り扱い注意』だが、これは竹内さんが亡くなる前に撮影が終了していたという。この1年間、彼は俳優を休業して、2人の子供たちを守ってきたのだった。



■「何とか元気に…」義父が明かした遺族たちのいま

中林の父・Aさんは奈良県にある医療品原料卸売会社の会長を務めている。竹内さん逝去直後、Aさんは本誌に次のように語っていた。

「突然のことですからね……。家族みんなが憔悴しているのですが、特に大樹が憔悴しきっている状態です。しかし、そんななかでも大樹は、こう言っているんです。

『2人の子供たちを結子の分も育てていきたい。でも彼らを守るためには一生懸命頑張らないといけない。僕が子供たちを育て上げることが、結子がいちばん喜ぶことなんだ』とーー」

中林が具体的にはどのように育児に尽力しているのか? その後の竹内家にまつわる情報はほとんど報じられていない。そこで一周忌を目前にして本誌は、再びAさんに取材を申し込んだ。

「私がお話しすると、また騒ぎになってしまいますからね……」

Aさんはそう逡巡しながらも、こんな言葉をーー。

「(息子と孫たちは)みんな、何とか元気にやっています。……あとのことは事務所に聞いていただけますか。大樹が頑張っている? それは、そうですね」

たった1人で子供たちを育てていく息子・中林のことを心配していたのか、かつては、「下の子もまだ小さいですからね。中林家としてもみんなでフォローしていきたいと思います」 と、厳しい表情でそんな悲壮な覚悟を明かしたAさんだったが、今回の取材に対しては元来の柔和な雰囲気を取り戻しているように見え、「みんな元気にやっています」という言葉からは、息子に対する確かな信頼も伝わってきた。



■“決まらぬ納骨”に母方親族たちの悲嘆

その存在があまりにも大きかったためだろうか。なんとか一歩一歩、前に進んでいる遺族がいるいっぽうで、いまも大きな喪失感に苦しんでいる親族たちもいる。

前出の埼玉県内に住む親戚女性は、次のように語った。

「結子が12歳のときに両親は離婚していますが、彼女のお母さんが3人の子供たちを連れて、(結子の)おばあちゃんが住む実家に帰ってきていたこともありました。結子はおばあちゃんになついていましたし、この土地は故郷ともいえる場所なのです。

一昨年の暮れごろのことでしたが、おばあちゃんの体の具合が悪いことを知らせると、結子は2人のお姉ちゃんといっしょに入院していた介護施設にお見舞いにきてくれました」

当時、竹内さんは第2子を妊娠中。祖母も赤ちゃんを産んだ竹内さんと会うことを楽しみにしていたが、その望みは永遠にかなわなくなった。

竹内さんの密葬には、中林と子供たちのほかは親族数人が参列したのみで、祖母など母方の親族は参列できなかった。それだけに気持ちの整理をつけるのも難しいようだ。親戚女性の声は沈んでおり、またいら立ちを隠さなかった。

「もうすぐ結子の一周忌になりますが、お墓をどうするとか、納骨をどうするとか、何も決まっていないのです。ご主人の中林さんのほうでは考えていらっしゃるのかもしれませんが……。

私たちもどうなるのか気になっています。離婚したとはいえ、結子の実父がそういったことを確認して、私たちに知らせてくれればいいのですが、昔からそういったことは全然しない方で……。

『まだお墓も決まっていないなんて、これでは結子が浮かばれない』と、おばあちゃんをはじめ、私たちも嘆いています」

実父の再婚後の家には“自分の居場所”を見つけられなかったという竹内さん。亡くなった後も、彼女の居場所は定まらないのか。竹内さんと中林の所属事務所に聞くと、次のようなコメントが寄せられた。

《中林は家族で話し合い、自宅供養をしております。大好きだったビールを供えているようです。納骨は家族で相談をし、時期が来たらと考えているそうです。家族で静かに一周忌を迎えられるよう、引き続き静かに見守っていただけますと幸いです》

“自宅供養”とは、自宅に遺骨を保管して供養すること。かつて竹内さんは、新聞のインタビューで“いちばんの喜び”について次のように語り、こぼれるような笑顔を見せたという。

《おいしいものを食べた瞬間。それと、仕事が終わった後に、自分のために冷やしておいたビールを飲む瞬間も。うーん、やっぱり食道楽なのかなあ》(『毎日新聞』’15年8月1日付)

遺した子供たちも夫・中林がしっかり守ってくれている。竹内さんには、少女時代の家族の悩みや、誰にも明かせなかった将来への不安も忘れ、いまはただ天国で、あの引き込まれるような笑みを浮かべ、ビールを楽しんでいてもらいたいーー。