五輪の正式種目に採用される可能性も取り沙汰されるなど、隆盛を極めているeスポーツ。日本でもeスポーツ人口は年々増え、プロプレイヤーも増加している。

そんなeスポーツチームの関西の雄として知られているチームが「Revo」。人気ゲーム『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』の大会で所属選手が優勝するなど、eスポーツ界でも屈指の実力者集団だ。さらにお笑い芸人のたむらけんじ(49)が共同オーナーも務めるなど話題性も抜群。

今年2月にチーム名が「GUREN」から改名され、公式サイトでは新しい名前に込めた思いを次のように記している。

《若い選手達が競技シーンで成長=進化し、行儀での成績のみならず立ち振る舞いも業界の手本となることでシーンの発展や社会的地位の向上に貢献し、業界に革命を起こす存在にしたい》(原文ママ)

しかし、業界の手本になるはずが同チームに所属していたプロゲーマーのRupa(るぱ)選手に疑惑が。Rupa選手が“賭けゲーム”に興じているというのだ。Rupa選手は’20年4月に行われた「Crazy Raccoon Cup Vol.3」で優勝し、賞金250万円を勝ち取った実績もある選手で、今年3月に高校を卒業したばかりの期待のホープ。

なんと、そのRupa選手がオンライン対戦型カードゲーム『ゴッドフィールド』で、金銭を賭けているという情報を本誌はキャッチした。

「『ゴッドフィールド』は500種類のカードを使って最大9人でプレイするオンライン対戦型カードゲーム。このゲームでお金を賭ける行為は一部ネット上で“賭けごっふぃ”と呼ばれており、Rupa選手はTwitterでたびたび儲けたことを報告していました。それだけではなく、Rupa選手はフォロワーから金品をねだることもしばしばあったといいます」(ゲーム業界関係者)

■「賭けごっふぃのおかげで生活できてます」

果たしてRupa選手の“賭けゲーム”疑惑は事実なのだろうか? 取材を進めると、Twitter上にはRupa選手のものと思われるサブアカウントを発見(現在は非公開)。ツイートをみると、たしかに複数回にわたって“賭けごっふぃ”で儲けたことを明かしていた。

例えば今年2月15日には、電子マネーで500円を2回受け取ったことを示唆する画像とともに《ごっふぃ全部勝ったw ありがとう》とツイート。この7日後の2月22日には、《なべさんリベンジしてきたけどw また全勝して1万円Win! 合計1万5000円ゲット》と記している。

さらに4月22日にも《7500円ゲットしました そして昨日2000円ゲット》と、電子マネーの受け取り完了画面のスクリーンショットを添えていた。そして4月25日には《みんな賭けごっふぃのおかげで生活できてます》とツイートしており、常習的に“賭けゲーム”を行っていたことが伺える。

加えて5月2日には、Rupa選手のメインアカウントで《リアルで賭けごっふぃしましょう!!www》と他ユーザーを誘っていたことも確認できた。



■弁護士は「賭博は成立している」と指摘

最近では人気YouTubeチャンネル「令和の虎CHANNEL」に出演していた社長らが、ポーカー賭博をした疑いで書類送検されたことも記憶に新しい。Rupa選手が興じていたオンラインゲーム上での賭け行為にも、違法性はあるのだろうか?

「偶然の事情に関して財物をかける行為が『賭博』なので、オンラインゲームでお金を賭ける行為も、ゲームが賭博目的で作られたかどうかに関係なく違法になります」

こう語るのは、甲南大学名誉教授の園田寿弁護士。ツイートやスクリーンショットから確認できる範囲ではRupa選手が得ていた金銭は1万円前後と少額だが、賭博としては成立するという。

まず「1回、1回の賭け金が少額であっても、全体として1万円ということならば、賭博は成立していると思います」と指摘した上で、園田弁護士は常習性についてもこう解説する。

「常習として賭博したか否かは、賭博行為の種類や賭けた金額などを総合して客観的に判断されます。一般には、職業性を帯びている場合や、賭博が生活の重要な部分を占めるに至っているような場合がそうです。

常習性を認定する資料としては、賭博の種類、賭博の前科が存在することや、賭博行為を反復して行った事実などが重視されています」

繰り返し賭けを行っていたRupa選手。それでは、刑法185条の賭博罪及び186条の常習賭博罪にあたるとすれば、どのくらいの刑罰が科せられるのだろうか?

園田弁護士は、「単純賭博の場合は上限が50万円以下の罰金になるので、一番重い刑でも50万円の罰金です。ただし、常習賭博の場合は上限が懲役3年になります」と解説する。



■運営会社の見解は「法を犯す行為に関して許容できるものではない」

違法性が指摘されるRupa選手の賭け行為。5月24日、この件についてeスポーツチーム「Revo」の運営会社「スサノオ」に取材を申し込むと、その2日後に代表取締役の中野貴博氏から文書にて回答があった。

――Rupa選手のサブアカウントは本人のものか?

「確認したところ、本人のものとの事でした」

――所属プロゲーマーが常習的に賭けゲームを行っていることについて、どのように受け止めているか?

「金額の大小にかかわらず法を犯す行為に関して許容できるものではないと考えております」

加えてRupa選手本人にも今回の件について問い合わせると、「スサノオ」を通じて文書で回答を得ることができた。

――賭けゲームが違法行為にあたるという認識はなかったのか?

「恐喝している訳ではないので、頂けるものは頂いていいかなと思い、受け取っていました。注意された後に続けていたのも、そのような思考が抜けなかったからです。ですが悪印象な行動だなと反省しております」

――プロゲーマーとして、賭けゲームに興じることに疑問はなかったのか?

「少額で簡単なゲームならいいと思ってしまいました。プロゲーマーとしての自覚が足りないなと痛感しました」

――違法賭博でも年間50万円を超える賭けの勝ち金は、一時所得として申告義務があるが納税はしているか?

「勝ち金は50万を超えていません」

その後、6月10日に改めて中野氏に直接話を聞く機会も得た。中野氏はRupa選手のサブアカウントの存在を知らなかったといい、「Rupa選手とは1度しか会ったことがなく、今年の5月8日に広島で行われたイベントで初めて会いました」と話した。

また中野氏によると、Rupa選手は今年の3月に高校を卒業したばかりで、「まだ幼い部分もあるが、ちゃんと導いてやればいいのではと感じていました」と語っていた。

Rupa選手の処遇についても聞いてみると、こう回答が。

「Rupa選手は今年の5月末でチームから抜けていました。ですが、広島でのイベントが楽しかったようで、イベント後に『やっぱり所属していたい』と言われ迷っているところでした。しかし今回の件があったので、やはり5月末で契約は終了とします」

そしてこの取材の数時間後には、公式サイトからRupa選手のプロフィールが削除されたのだった。



■たむけんは「選手に対する管理が出来ていなかった事を反省しております」と陳謝

最後に「Revo」の共同オーナーであるたむけんにも取材を申し込んだ。すると、吉本興業とエージェント契約を結んでいる「株式会社TKF」を通じて、次のような回答があった。

――Rupa選手の賭けゲームに関する一連の事実をご存知でしたか?

「女性自身さんの取材依頼をいただいた時点で他のオーナーに事実確認をしたところ、そういうことがあったと知りました」

――所属プロゲーマーが賭けゲームを行なっていたことについて、共同オーナーとしてのご見解をお聞かせください。

「今回Rupa選手が行った事は完全に法律違反にあたり、絶対にやってはいけない事です。共同オーナーとして選手に対する管理が出来ていなかった事を反省しております。申し訳ありませんでした。2度とこの様なことが起こらないようにチーム全体で努めてまいります。この度は本当に申し訳ありませんでした」

少額だからといって許されるわけではない賭博行為。プロゲーマーとあれば、より一層の倫理観が求められるだろう。