ダイアナ元妃(享年36)が非業の死を遂げてから25年。“世界で最も愛されたプリンセスを死に追いやった希代の悪女”ともいわれた女性が王妃になることを想像できた人が当時どれほどいただろうか。

チャールズ三世国王(73)の即位にともない、“カミラ王妃”が誕生したことにイギリス国民の意見も割れているようだ。

英王室に詳しいジャーナリストの多賀幹子さんはこう語る。

「今春の現地紙のアンケートによれば、カミラ夫人が王妃になることに賛成している国民は過半数になっていました。亡きエリザベス女王が今年2月に『チャールズ皇太子が国王になる際には、クイーン・コンソート(王妃)にしてほしい』という気持ちを国民に訴えたためです。

そのいっぽうで、ダイアナ妃が王室を出なければいけなかったのは、チャールズ国王とカミラ夫人の不倫のせいだったという意見はいまもくすぶっているのです」

チャールズ国王とカミラ王妃の出会いは半世紀以上前の’71年。放送プロデューサーのデーブ・スペクターさんによれば、

「2人は出会ってすぐに肉体関係を持ったといわれています。乗馬などの趣味も同じで、話も合ったからですが、結婚相手としては適切とはされず、チャールズさんはダイアナさんと結婚したのです。ただチャールズさんは結婚後も、カミラさんとの密会を続けました」

カミラ王妃は当時、アンドリュー・パーカー・ボウルズ氏と結婚しており、W不倫だったのだ。

《僕は君のタンポンになりたい》

’92年にはチャールズ国王との電話での会話が暴露され、その後、国王がダイアナ元妃と離婚したこともあり、カミラ王妃の評判は地に堕ちた。

「“英国でもっとも嫌われている女性”と呼ばれ、道を歩いているときに、生卵を投げられたこともあったのです」(前出・多賀さん)

チャールズ国王が、カミラ王妃と再婚したのは、ダイアナ元妃の死から8年後の’05年。

「再婚までにかなり時間をかけていますが、それでも国民の支持は得られませんでした。国民感情に配慮するために、皇太子妃を意味する“プリンセス・オブ・ウェールズ”を名乗らず、将来の称号も“王妃”ではなく“王配殿下”になると発表されていたのです」(イギリス在住の日本人ジャーナリスト)



■カミラ王妃の孫が公の場に現れたことも

“支持率ゼロの皇太子夫人”からの奇跡の逆転劇に向けて、カミラ王妃は努力を続けていた。

「チャールズ国王が中心となってイメチェンをはかったのです。ほとんどノーメークだったカミラ夫人のために一流のヘアメークを依頼したり、アウトドア派の彼女に明るいパステルカラーのワンピースを着るように勧めたりしたのです。喫煙の習慣をやめるよう説得したとも聞いています。

もちろん見た目のことばかりではありません。家庭内暴力被害者を支援するチャリティ団体などのパトロン(後援者)を務めるなど、カミラ夫人自身も王族にふさわしい活動を続けてきました。

それでも“悪評”はすぐには消えませんでした。エリザベス女王はダイアナ元妃が愛用していたティアラをキャサリン妃に贈ったのですが、彼女がそれを着用した際に、カミラ夫人は『(キャサリン妃が)ダイアナ元妃のジュエリーを盗んだ』と大騒ぎしたなどと報じられています」(前出・多賀さん)

長年の努力で支持率も上がってきているカミラ王妃だが、王室の内外から不安の声も上がっているという。

「再婚以来17年、カミラ夫人は我慢を強いられてきたともいえます。その彼女がついに王妃になったことで、暴走するのではないかというものです。

カミラ夫人には前夫との間に2人の子供がおり、実孫も5人います。その孫たちを英王室関連のイベントに出席させるなど、“王族扱い”していくのではないかという懸念です。確かに’11年のウィリアム皇太子の結婚式では、彼女の孫の一人であるエリザ・ロペスも参列し、キャサリン妃のブライズメイドを務めていますからね」(前出・日本人ジャーナリスト)

もちろんカミラ王妃に期待する声もある。前出のデーブさんは、

「この17年間、カミラさんはまじめにコツコツと公務を続けてきました。フレンドリーな人柄ですし、いまでは王族からも頼りにされています。彼女は、国民の声によく耳を傾けていて、チャールズさんのアドバイザー役も務めているのです」

偉大な女王亡きいま、イギリスを中心とする英連邦も過渡期に直面している。

「たとえばオーストラリアも共和制への移行が議論されています。’99年の国民投票では、君主制維持派が55%、反対派が45%でした。当時のハワード首相は『エリザベス女王の御世では、絶対に英連邦を離れることはない』と語っていましたが、新国王が即位したタイミングで、“動き”があるかもしれません」(関東学院大学国際文化学部教授・君塚直隆さん)

果たしてカミラ王妃は後世“英王室を壊した女”と呼ばれるのか、それとも“英連邦団結の救世主”と呼ばれるのか。