「今回の賞をいただけると聞いたとき、実はちょっと落ち込んでる時期でして、救われた思いでした」

5月16日、「第32回日本映画批評家大賞」で特別主演男優賞に選ばれた岡田准一(42)はこう話した。

同じく授賞式に出席していた中井貴一(61)の楽屋へ挨拶に行ったところ、思いがけない贈り物があったという。

「『君の活躍、君のやっていること、君の思いを受けてこれを君に託します』とおっしゃって僕に渡してくれました」(岡田)

それは、中井が故・高倉健さん(享年83)からゆずり受けた腕時計だった。

実は岡田は“健さんゆかりのダイヤ”も所有している。そのダイヤは、昭和の名優・志村喬さん(享年76)がもともと持っていたものだという。

「岡田さんはかねて健さんへの尊敬を口にしています。’15年の第38回日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞を受賞した際には『人が人を思うことの大切さを伝えてこられた高倉健さんのおかげでここに立てている』とスピーチしています」(芸能記者)

直接の面識こそない2人。だが岡田にとって、健さんとの絆を感じられる場所がある。兵庫県にある志村喬記念館だ。

「’13年ごろ、岡田さんは“志村喬記念館で役者として勉強してきなさい”という健さんからのアドバイスを人づてに聞いたそうです。

志村さんはあの健さんが憧れた役者。岡田さんは早速訪れましたが、人柄から演技まで学ぶものが多かったようですね」(前出・芸能記者)

’14年に放送された『24時間テレビ』(日本テレビ系)でも、岡田は同館を訪問。番組内で館長の宇治紘三さんが、岡田にとって思いがけない言葉を明かした。

「健さんが“最近気骨のある男性俳優が出てきてうれしい”と岡田さんのことを評しているんです」

思わぬ大先輩からの後継指名だった……。岡田は目頭を押さえ、「とてつもない大事なものを言われている気がする……」と絞り出すのが精いっぱいだった。

その後も健さんの“遺言”を確かめるように記念館への訪問を続けている岡田。今回、館長の宇治さんにあらためて話を聞いた。

「岡田さんはこれまでうちに5回来られていますが、いつも志村さんの生家跡に残る松の木を抱きかかえ、じっと幹に耳を当てるんですね。志村さんや健さんの声を聴いているのかもしれません」

偉大な先輩たちの声に導かれ、俳優・岡田准一は更なる高みへ。