今年も残り1カ月を切ったなか、年末恒例の「2023ユーキャン新語・流行語大賞」が発表された。年間大賞に輝いたのは、阪神タイガースの岡田彰布監督(66)がリーグ優勝を表現する際に用いていた「アレ(A.R.E.)」だった。

日本中の注目を集めた、38年ぶりの阪神優勝。日本シリーズのさなかには、テレビ番組やネットニュース、SNSでは確かに”アレ”があふれた。しかし、’21年の「リアル二刀流/ショータイム」、’22年の「村神様」に続いて、3年連続で野球用語が年間大賞に選ばれたことに「野球ばっかり」と一部からは不満の声もあがる事態に。

流行語大賞はノミネート語から選考委員会が議論して選ぶ形となっているため、確かに世間との乖離を指摘する声も少なくない。

では、実際の世間の感覚はどうなのか? そこで、15歳以上の1000人を対象にノミネートされた30語のなかから、本当の流行語大賞だと思うものはどれかを調査した。

67票を獲得し、3位に選ばれたのは「推しの子/アイドル」。ノミネートされたものの、トップ10入りを果たせなかった。

4月にアニメが放送された人気漫画『推しの子』。音楽ユニットYOASOBIが手掛けたアニメ主題歌「アイドル」はビルボードの国内チャートで21週連続1位を獲得。YouTubeの世界楽曲チャートでも日本人アーティストとしては異例の1位に輝くなど、世界的ヒットとなった。

今年4月からのブームとあり、1年のうちで接する期間が長かったことからも「よく目にした」「耳にした」とする声が多く上がった。

《流行期間が比較的長い》 《アニメも歌も人気だから》 《よく耳にしたから》 《SNSで見かけない日はないくらいよく見る為》 《曲がどこでも流れてたので》

2位に選ばれたのは、大賞にも選ばれた阪神の今季スローガンでもある「アレ(A.R.E.)」。134票を獲得した。

選手のプレッシャーとならないよう、優勝をこう言い換えた岡田監督。事務局も「岡田監督の言葉の力は人を動かす」と太鼓判を押した。

今回のアンケートでも、阪神ファンからは《阪神タイガースファンだから》《阪神タイガースのファンなのでこれしか考えられない》《そんなもん、阪神38年ぶりの日本一の、象徴的な言葉やからな、お〜ん》などと、熱烈なコメントが相次いだ。

阪神ファン以外からは、実際に使用したことがあるという声が多く上がっている。日常生活での使いやすさが、“流行語”としての浸透度に大きくかかわるようだ。

《家族や周りの人がみんな「アレ」と言っていたから》 《普通の会話で使っている。ほかの候補はニュース・ワードみたいなものなので》 《普段の会話でも使える言葉だし、実際よく使っていたので》 《使いやすい言葉なので》

そして「アレ」を抑え、“本当の流行語大賞”1位に選ばれたのは、大谷翔平選手の「憧れるのをやめましょう」だった。

今年3月のWBC決勝戦。アメリカとの対戦前に、円陣で大谷選手は「僕からは1個だけ。憧れるのを、やめましょう」と声を張った。対戦相手のアメリカには、野球をやっていれば誰でも聞いたことのある実力派選手がそろっているとしながらも、「今日一日だけは、やっぱ憧れてしまったら超えられないんで。今日、超えるために、トップになるために来たんで。今日一日だけは彼らへの憧れを捨てて、勝つことだけ考えていきましょう。さあ、行こう!!」とチームを鼓舞。そして、見事WBCで優勝を果たしたのだった。

野球用語では「アレ」が大賞を受賞したほか、「ペッパーミル・パフォーマンス」がトップ10入りするなか、この大谷選手の名言は受賞を逃していた。しかし、最も多くの人の心に刺さったのはこの“国民的”名言だったようだ。アレが関西を盛り上げたワードなのに対し、大谷選手のこの言葉は日本中を盛り上げたことからこちらのほうがよいとの指摘も多く寄せられた。

《1番心に残ったから》 《あの言葉の後、WBCで優勝したので》 《AREは関西人だけなので、全国的にも感動し記憶に残る言葉はこれだと思う。》 《考えさせられるとともに多くの人たちに感銘を与えてくれた》 《素晴らしい活躍だったし多くの国民が注目していたし勇気元気をもらったから》

結局、野球関連の言葉が1位に選ばれた今回の調査。野球が日本の国民的スポーツであることは間違いないようだ。