「(兄と姉が珍しくない名前で)最後変化球欲しいな。個性豊かに育ちますようにみたいなので、お母さんが“さいり”ってつけて、おじいちゃんが漢字をつけた。で、何を間違ったか、おじいちゃんは“い”を見落としたんだね。だから漢字では“沙莉”ちゃんになっちゃった」

6月12日に配信されたポッドキャスト番組『松岡茉優&伊藤沙莉「お互いさまっす」【公式】』で、伊藤沙莉(30)は、家族から付けられた自身の名前の由来を明かしていた。

実兄がお笑いコンビ・オズワルドの伊藤俊介(34)で、たびたび家族エピソードをメディアで披露している伊藤。放送中のNHK連続テレビ小説『虎に翼』で、ヒロイン・猪爪寅子を好演している。

「作中で沙莉さんは、戦争により夫に先立たれ、家族の協力のもと、一人娘を育てています。シングルマザーの芝居の参考はお母さんだと聞いています。お父さんはもともと道路工事会社を営んでいましたが、バブル崩壊で倒産。沙莉さんが2歳の時に“蒸発”したそうです。その後はお母さんが塗装業者の棟梁として働くなどして、伯母さんの助けも借りながら俊介さんと、一般人の長女、沙莉さんの3人兄妹を育てあげました」(芸能関係者)

23年7月、『しゃべくり007』(日本テレビ系)に伊藤が出演した際、MCを務める上田晋也(54)から、「親御さんどんな方で?」と尋ねられ、こう答えていた。

「母はチャキチャキな人で、塗装屋なんですけど、だから親方感のある人、ですかね」

そんな伊藤家には家族の時間を過ごす大切な場所があるようだ。

「出身地の千葉県内にある韓国料理店『ほんがね』に定期的に訪れているといいます。伊藤さんは成人後、育ててくれた感謝を込めて、お母さんにご飯をごちそうしようと考えていたそうです。しかしお母さんはわが子からご飯や物をプレゼントされることを潔しとしない人。お姉さんの説得もあって、ようやく受け入れてくれて一家で食事できた店だったとか。以降、常連だそうです」(スポーツ紙記者)

「ほんがね」の店員・李さんに話を聞いた。

「沙莉ちゃんには7年ほど前からよくお越しいただいていますよ。ただ最近は沙莉ちゃんも忙しいので、今年の1月に家族で来てくれたきりですね。でもこの前、この辺で用事があったのか、代わりにマネージャーさんが来てくれて、『沙莉ちゃんから“よろしく”と伝えておいてと言われている』と言っていました。CMにもたくさん出る人気女優となった今でも、人柄は全然変わらなくて本当に素敵な方です」



■物心ついたときからとにかく辛いものを

21年11月放送のテレビ番組『TOKIOカケル』(フジテレビ系)で冷蔵庫に必ず入っているものを聞かれ、「タバスコ」と答え、「物心ついたときから辛いものをとにかく与えられてた。韓国料理が多かったんです、ウチは」と述べていた伊藤。「ほんがね」でも、変わらないようだ。

「焼き肉を『辛くしたい』と頼まれて、ベトナムの唐辛子をミキサーにかけて、出しています。ベトナムの唐辛子はおいしい辛味が出てくるんですよね」(前出・李さん)

最近、伊藤の母と、姉が来店し、こんな“雑談”も――。

「この前もお母さんたちが食べに来て、『今度の月曜日の放送で、沙莉がおんぶするのはお姉ちゃんの子供だよ』と言っていました。お姉さんは苦笑いしていましたが……(笑)」(前出・李さん)

『虎に翼』で、乳児期の寅子の娘(優未)が登場したのは、39〜42話。41話が月曜日の放送回で、赤ちゃんを背負うシーンもあった。

「生後半年から1年とおぼしき赤ちゃんは場面に応じて、泣き顔やうれしそうな表情などをする“名演技”をみせていました。伊藤さんにとても懐いている様子でしたね。23年4月に伊藤さんがXを更新し、《姉夫婦に可愛すぎるきゅるるんがーるが 伊藤の母性が止まらない》とつづり、伯母になったことを公表していましたので、お姉さんのお子さんの年齢にも合致します」(映像制作関係者)

伊藤は姪を溺愛しているようだ。前出の芸能関係者がこう証言する。

「忙しい中、予定を調整し定期的に会って、あやしていると聞いています。姪っ子の百日祝いには、親友の松岡茉優さん(29)まで呼んで、一緒に愛でていたそうです」

朝ドラで家族と極秘共演を果たしていた伊藤。姪がヒロインの娘に抜擢されるまでの経緯とは――。

「未婚の伊藤さんは乳児との“初共演”に不安をかかえていました。子役出身で芸歴20年ながら、母親役の経験は少ないのです。そこでふだんから可愛がり、懐いている姪っ子に白羽の矢が立ったようです。赤ちゃんは急に体調を崩すこともあるので、今回のロケ現場には2児がスタンバイしていて、その一人だと聞いています。

乳児役を務めることができる年齢の赤ちゃんは子役事務所に所属していることが少なく、出演者探しに苦労しがちです。そのため、伊藤さんの実の姪っ子が出演することはNHK側にとってもありがたい話だったみたいですよ。ロケには伊藤さんが“パリピ”と称するお姉さんも付き添いで来ていて、心強かったそうです」(NHK関係者)

23年6月に『Forbes JAPAN』の公式サイトで配信されたインタビューで、《家族に『あれ面白かった』とか『あのお芝居、素敵だった』と褒められることがやりがいになっている》と、語っていた伊藤。

家族がモチベーションの源泉だけでなく、朝ドラヒロインを演じる“翼”にもなっていた――。