’19年の取材時に「2020年は破綻と崩壊の年になる」と、コロナ禍による混沌を予言するかのように警鐘を鳴らした江原啓之さん。その混迷の先にたどり着いた’21年はどんな年になるのか。どう生きれば、幸せをつかめるのか。幸せへの近道は、まず“家族の悩み”を解決することから。家族の問題に向き合う読者の悩みに、江原さんが優しく、時に厳しくお答えします。

■がんで闘病中。「残していく子」が心配です

《がんで余命宣告を受けています。シングルマザーとして育ててきた子どもがまだ高校生。入院中のいまは私のきょうだいの家で面倒を見てもらっていますが、コロナ禍で面会もままならない状態です。夫とはずいぶん前に離婚しており、子どものことが心残りです。子どもはいったいどうなるのか。面会もあと何度できるかわからない状況で、子どもに何を伝え、どのように心を整理していけばいいでしょう?》(40代・埼玉県・休職中)

息子さんは「まだ高校生」ではなく「もう高校生」。伝えたい思いを言葉にして残してあげるべきだと思います。

私も4歳で父が急逝し、その後、女手一つで私と姉を育ててくれた母も、私が15歳のときがんで他界しています。私の母は生前、「親以上に子どもを守れる者はいない」と言っていましたが、つくづくそう思います。

あなたが母親としてどんなに心残りであるか。伝え切れないほどの思いがあるでしょう。子どもの立場からしても、「こんなとき母ならどうするだろう」という局面が大人になってもあります。

さらに、いまはコロナ禍で面会もままならない状況ということ。ならば、思いや伝えたい言葉をビデオメッセージや手紙にして20歳、30歳、40歳と人生の節目に目を通せるように、時間の限り数多く残してあげることをおすすめします。

ただし「家業を継いでくれましたか?」などという理想の押し付けや呪縛になるメッセージはいけません。それよりもどんなふうに人生を充実させてほしいかという願いを込めて、大きくなった姿をイメージして語りかけてください。

「充実して生きていますか?」 「試練を乗り越えられますか?」

あるいは30歳くらいであれば、仕事に惑う年齢かもしれません。自分自身の人生が「生きていてよかった」と思えるような言葉を。あるいは息子さんが親になったとき、子どもにどう接してほしいか。自分はどうしたのか、そうした人生の指針を贈るのもいいでしょう。

また、現実的な問題もできる限り示してあげなければなりません。自分が亡き後、どこでどう生活したいのか、お子さんの意思確認は大事です。『火垂るの墓』のように、親戚を頼っても粗末に扱われることもあります。ならば、高校を卒業するまでは施設へ入るのか、あるいはひとりで暮らせるのかを見極めること。後見人選び、財産についても整理してトラブルにならないよう遺言を残してあげるのが親の最後の役割です。

肉体は死んでも、たましいは永遠です。あなたがこの世での役目を終えても、たましいは息子さんに寄り添うことができ、その思いはちゃんと伝わります。

「女性自身」2021年1月19日・26日合併号 掲載