令和に入っても進化を続けるラーメン。特に激戦区と言われている東京のラーメン業界だが、やはり知りたいのが「おいしい店」。そこで6000軒ものラーメンを食べ歩いたメディアでもおなじみの“ラーメン界のカリスマ”宮崎千尋さんにいま食べるべきラーメンを選んでもらった。

■都内で本当においしい味噌ラーメン

“女性が1人でも気軽にラーメン入れる”がコンセプトの人気店「ソラノイロ」創業者で、ラーメンプロデューサー＆コンサルタントの宮崎さんが最初に選んだのが、初台（東京都渋谷区）にある『らぁめん　一福』。ここはミシュラン・ビブグルマンにも4年連続で選ばれる有名店だが、最近では取材に応じることも少ないため”知る人ぞ知る”名店だという。

「ここの一押しは何といっても味噌ラーメン！　店を取り仕切る名物女将・石田久美子さんの人柄とは正反対にパンチのある味になっています。すすり心地のよい麺と、5種類もの味噌をブレンドしたスープが馴染んでとてもおいしい逸品。チャーシューはモモの柔らかい部分を使っており、開店33年もの間まったく色あせることのない味です。

東京は味噌ラーメンのおいしいところが少ないのですが、ここはダントツ！　しかも値段も安く、味噌ラーメン800円は反則（笑）。完食間違いなしの絶品ラーメンをぜひ味わってもらいたい」

■レゲエスタイルなのに正統派

続いて宮崎さんが紹介するのが、江古田（東京都練馬区）の『ラハメン ヤマン』。変わった店名だが、ジャマイカとレゲエがモチーフになっているという。

「店内はレゲエが流れていて、緑や黄、赤といったラスタカラーで店内は統一されています。ジャマイカの国旗があったりと店にはただならぬ気配が漂っていますが、店主の町田好幸さんが提供するラーメンは至ってシンプル。豚、鶏、野菜や魚などいろいろな素材をうま味調味料を使わず、無添加にこだわったスープは驚くようなバランス具合。味はレゲエと関係ありませんが、町田さんはそのギャップを楽しんで欲しいとのことでした」

■いま人気のワンタンメンの名店

最後に紹介するのが、昨年宮崎さんがベスト1に選んだ大山（東京都板橋区）にある『支那ソバ おさだ』。ここは昨年ブームとなったワンタンメンが人気という。

「昨年はチャーシューに代わり、ワンタンに力を入れている店が増えました。ここはその筆頭格。店主の長田翔さんは『支那ソバ かづ屋』で修業を積み、独立。トレードマークのてるてる坊主の形をした肉がみっちり入ったワンタンが絶品です。もうめちゃくちゃおいしいんですが、一つ難点が。まだ開店して1年ですが、いつもお客さんが列をなしておりかなり待ちます。それさえクリアすれば、ぜひ一度行っておきたいお店です」

ラーメンコンサルタントという肩書を合わせ持つ宮崎さんは、ラーメン界の地位向上も見据えている。

「最近ラーメンの値段が高いという声も多いですが、一方で日本そばやパスタには1500円くらい出してきたと思うんですよ。これまで日本のラーメン店主が、原価度外視して人件費を削りおいしいラーメンを作ってきた。その結果が、今の”ラーメン文化”を作ってきたんです。日本のラーメンは海外からも食べに来るようになりました。これからも、まだまだラーメンは進化していくと思います」

これらのお店は宮崎さんが出演するBS11のYouTubeチャンネル『珠玉の逸杯！　最強ラーメン遺産』でも紹介している。ぜひあなたも”珠玉の一杯”を味わってもらいたい。

【PROFILE】 宮崎千尋 ソラノイロ創業者で、ラーメンプロデューサー＆コンサルタント。これまで200種類以上のラーメンを開発してきたほか、メディア出演歴多数