岸田首相の政治団体の政治資金収支報告書を見ると高額な“会合費”が並ぶ。いったいどんなお店で、誰が使っているのだろうか……。

物価高騰のあおりを受け、一般庶民は必死で生活費を切り詰めている。にもかかわらず、岸田首相をはじめこの国のトップたちは、まるでバブル真っただなかのような贅沢を極めていることがわかった。

岸田文雄首相(66)ほか、大臣クラスが代表を務める政治団体の政治資金収支報告書(’22年分)によると、“会合費”の名目で、高級料亭などに1回あたり10万円を超える支出をしていたケースが120件も見つかったからだ。(23年11月24日付毎日新聞による)

なかでも、最も支出が多かったのが、岸田首相の政治団体「新政治経済研究会」。22年の“会合費”(飲食費)は、コロナ控えがあった前年度の約30倍に膨らみ、なんと合計1千804万円にものぼった。

そこで本誌では、同政治団体の政治資金収支報告書を改めて精査し、高額な“会合費”を21件洗い出した。

すると、1回あたりの出費額が、「日比谷聘珍樓」51万6千340円、「割烹 濱田家」93万7千992円など、目を疑うような数字が並ぶ。

■怪1:岸田首相が出席したのはわずか2件?

いったい、どんな店なのか。たとえば「日比谷聘珍樓」は、御所に近い日比谷公園のそばにある日本最古の高級中華料理店として有名だ。人気メニューの「上海蟹肉入りチャーハン」は、4千400円とセレブ価格。

日々、多忙を極める首相が、これほど頻繁に高級料理店での“会合”に出席できるのか。

過去の首相動静と照らし合わせてみると、21件のうち首相が参加したとされる会合は、ホテルオークラ東京内の中華料理店「桃花林」(22年1月21日/49万5千90円/木原誠二官房副長官(当時)と食事)と、居酒屋の「やひろ丸新橋港」(22年11月7日/28万8千382円/閣僚たちと慰労会)の2件のみ。

参加者が明記されないので、あくまでも首相動静に照らし合わせての予想になる。いったい、これらの“会合”には、誰がどのような目的で参加しているのだろうか。

政治と金の問題に詳しい神戸学院大学法学部教授の上脇博之さんは、「あくまで一般論」と前置きしたうえで、こう推察する。

「首相の選挙区から後援会の人たちが上京した際に、“接待”として使われるケースが多いのではないか。首相は忙しくて参加できないので、秘書や職員が代わりにもてなしているのでしょう。純粋な“会合”であれば会議室を使えばいいし、“接待”でも割り勘にしてポケットマネーで出すべきです」



■怪2:岸田首相の長男が代わりに出席?

さらに、政治ジャーナリストの鮫島浩さんは、「忙しい首相の代わりに、妻子などの身内が参加することもある」とし、こう続ける。

「岸田さんの場合、身内であり秘書官でもあった長男の翔太郎さんが代わりに出席していたことは、ほぼ間違いないでしょう。官房機密費を使うことも多いですが、政党資金から落としている可能性も十分ありえます」(鮫島さん)

20年から父の公設秘書を務め、岸田氏が首相の座についてからは内閣総理大臣秘書官となった岸田翔太郎氏。

ところが昨年末、岸田首相も公認の“親族忘年会”を首相公邸で開催。辞職したことは記憶に新しい。

かりに、こうした豪遊を政治資金で行っていたとしても、私たちには知るすべがないという。

「政治資金収支報告書には参加者を明記する義務がないのでわかりません。政治資金の透明性を担保するためには参加者を明らかにするべきです」(鮫島さん)

政治団体の資金源は、おもに政治団体からの寄付や、企業に購入してもらった、いわゆる“パーティー券”収入がメイン。税金じゃないならいいのでは? と思いがちだが、前出の上脇さんは、「税金と同様に扱うべき」と、厳しい目を向ける。

■怪3:公職選挙法の寄付行為の禁止に抵触?

「なぜなら、自民党本部には、税金が原資の“政党助成金”が潤沢に交付されていて、実はバブル期以上にお金に余裕がある。だからこそ、自民党議員の政治団体は、自分たちが集めたパーティー券収入などを好き勝手に使えるのです」(上脇さん)

つまり、“会合”と称して豪遊できるのは、私たちの税金が党に交付されているからこそなのだ。

「政治腐敗の温床となっている企業の献金やパーティー券購入を禁止し政党助成金を廃止すべきです」(上脇さん) さらに、こんな問題も……。

「“会合”で、政治家が有権者に食事などを奢っていた場合、公職選挙法の寄付行為に抵触する可能性もあります」(上脇さん)

実際のところはどうなのか。「新政治経済研究会」に問い合わせてみたところ、

「政策立案などに資するため、日々有識者などと情報収集や意見交換を法令を遵守して行っているところです」

との回答があった。

庶民感覚とかけ離れた政治をしているかぎり、国民の信頼を得ることはないだろう。