その霊能力のために、楽屋では霊視を求める先輩芸人たちが行列をつくることもあるという、吉本興業所属の“霊がよく見える”芸人・シークエンスはやとも。『ポップな心霊論』は、そんな彼が人生で見てきた霊たちや霊現象などを紹介していくコラム連載!

【余命宣告された芸人の最後の願いはかなったけれど……】

ある芸人さんの先輩が、重い病いに侵されて、余命を宣告されてしまったといいます。

でも彼は「最後まで舞台に立っていたい」と、その後もライブに出続けました。ただ、売れない芸人のライブなので、客席は半分も埋まりません。

それなのに、あるときからその先輩が「最近は満席続きでうれしい」と言い出したそうです。周りの芸人はおかしいと思いつつ、病気のことがあるので、はっきり否定もできません。

すると先輩はこう続けました。「でもいつも1人だけ、絶対に笑わない女のコがいるんだよね。あのコを笑わせるまでは死ねないわ」。

もちろん、そんな女のコは実在しないのですが、それが生きる活力になるならと、みんなで口裏を合わせてだまっていたそうです。

そして1カ月ほど経ったころ、出番が終わった先輩が「あのコが初めて笑ったよ」と、満面の笑みで楽屋に戻ってきたといいます。

その日はみんなで喜びあい、幸せな時間を過ごしたのですが、数日後に先輩の容態は急変し、亡くなってしまったそうです。

この話をしてくれた人は「そのコは笑わせちゃいけなかったんだよ」と悲しそうにしていました。たぶん彼女は死神だったんでしょうね。

【PROFILE】 シークエンスはやとも 1991年生まれ。吉本興業所属。『ホンマでっか!?TV』(フジテレビ系)などで見せた芸能人の霊視も話題に。自身のYouTubeチャンネルでも心霊話を配信中。昨年8月には本連載をまとめた初の著書『ヤバい生き霊』(光文社)が発売された。