高校演劇祭の審査員を務めることもある劇作家・演出家の平田オリザさんが、自身のラジオ番組『平田オリザの舞台は但馬』(ラジオ関西)で、ゲストとともに、高校演劇の現状などを語った。

 11月には毎年、各都道府県で高校演劇の地区大会が開かれている。

 番組ゲストの「兵庫県高等学校総合文化祭 演劇部門発表会 実行委員長」の四宮豊さんは「自分たちの身の回りの閉そく感を音の力・光の力を借りて、他者になりきることで自己表現できるのが演劇。コロナ禍の1年は(高校生の)彼らにとって、『日常の喪失』を考えるきっかけになった」と今回の兵庫県大会を振り返った。さらに「演劇は出演だけでなく、脚本、音楽、照明など各自の『こだわり』を生かすことができる。作り上げたことが自信にもつながっている。授業の時にはおとなしい子も自分の領分で能力を発揮している姿をみると顧問冥利に尽きる」と語り、教育現場における演劇の役割も訴えた。

兵庫県高等学校総合文化祭 演劇部門発表会実行委員長 四宮豊さん
兵庫県高等学校総合文化祭 演劇部門発表会実行委員長 四宮豊さん

 一方で、「審査員も大変なんですよ。(賞などを)選ばないといけないから……」とこぼすのは、平田さん。

「女優の黒木華さんは高校演劇名門校の出身。ほかの学年はブロック大会、全国大会に出場するも、彼女の代だけ地区大会止まりだったらしく、僕が選んだわけではないのに、彼女は審査員に対してものすごい憎しみを持っている(笑)。『どうやって選んでるんですか!』って食ってかかられたことがあるんですよ」というエピソードも披露した。

 それでも、「(高校演劇は)負けるのが悔しいだけじゃないんですよ。(選ばれると)次の大会に進むことができる。もう1回出たいんですよ、先輩たちと。これができなくなるのが本当にかわいそう」と生徒らの心情を慮った。

四宮豊さん(左)、田名部真理さん(右から2人目)、平田オリザさん(右)
四宮豊さん(左)、田名部真理さん(右から2人目)、平田オリザさん(右)