正午など、定時になると「ポ〜ン!」と知らせる、ラジオの時計案内。放送するにあたっては、時間のズレは許されないもの。その時計の設定について、普段はラジオの裏方を務める技術スタッフが、ラジオ番組『おしえて!サウンドエンジニア〜ギジュツLOVE〜』(ラジオ関西)のなかで解説しました。

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 みなさんの家にある時計は、どうやって時間を合わせているでしょうか。電波時計を使っている人もいれば、少し進んだ時刻に設定している人もいるでしょう。

 ラジオを聴くと「時計の針は、〇時〇分をすぎました」とアナウンサーがスタジオの時計の時刻を正確に伝えます。ラジオ局の時計は、どの程度正確なのでしょうか。

 ラジオ関西(神戸市中央区)のフロアには至る所に時計が設置されています。スタジオはもちろん、編成局や営業局があるフロア、廊下や会議室にも、壁に秒針のついた丸い時計がついています。これら局内で管理している時計は、すべてが正確な時刻を示しています。なぜ、そうなっているのでしょう……。

 実は、ラジオ局では電波法により、正確な時計の備え付けが義務付けられているからです。

 どうやってすべての時計の時刻を正確に合わせているのでしょうか。そのヒミツは、ラジオの放送データを管理するラジオマスター室の中にあります。「親時計」と呼ばれる基準時計装置が、時刻を管理しているのです。他の時計はすべて、親時計と接続されて同期しています。

基準時計装置
基準時計装置(手前)

 親時計の時刻補正にはいろいろな方法があります。以前はラジオ局の屋上にアンテナを張り、電波時計と同じ仕組みの長波(標準電波)を使った方法で時刻補正を行っていました。その後、電話回線を利用して日本標準時と誤差1ミリ秒(0.001秒)で時刻同期ができるような仕組みが登場しました。

今、使われているGPS時計
今、使われているGPS時計

 ラジオ関西の場合は、GPSなどの衛星測位システムを使ったタイムサーバーを導入していて、自動で親時計の時刻補正をしています。ラジオ関西のFM放送(ワイドFM、FM補完放送)は神戸局と姫路局を同じ周波数の91.1MHzで聴くことができる「FM同期放送」を行っていますが、これもタイムサーバーを使って実現しています。

 スタジオにある時計は正確な時刻を示しているだけではありません。コントローラーのスイッチを操作すると、タイマー表示に切り替わり、ストップウォッチのような機能として番組やCMを正確な“尺”(時間の長さ)で収録するときにも活躍しています。

 ちなみに、もしもビルが停電してしまっても、ビルの予備電源が作動して、しばらくの間は、時計はもちろん、放送のシステムは止まらず動き続けます。ラジオ局の時計はすごいのです!

※ラジオ関西『おしえて!サウンドエンジニア』2021年5月9日放送回より