神戸の献血の拠点の一つ「三宮センタープラザ献血ルーム」が、21日、センタープラザ西館3階からセンタープラザ2階に移転。装いも新たに『三宮センタープラザminamo献血ルーム』(以下、minamo献血ルーム)としてオープンしました。暮らしに身近なグルメ・ファッション・雑貨などのショップが入る“さんセンタープラザ”で、20年以上の歴史を重ねてきた施設です。

 施設の愛称である「minamo」は、神戸の海のイメージ「みなも=水面」と、幅広い年代層に親しんでもらい「みんなも」訪れやすい献血ルームになってほしいという思いから付けられました。

 献血は、健康な人が自らの血液を無償で提供するボランティアによってまかなわれており、病気の治療や手術などで輸血を必要とする人のために不可欠です。血液は人工的に造ることができず、長期保存もできないため、献血には多くの人の協力が求められています。

 しかし、特に近年、若年層の献血協力者数が年々減っています。直近の10年では全国で約4割減少しており、このままの状況が続くと、将来的に血液の安定供給に支障をきたす恐れがあると言われています。

 minamo献血ルームはそんな深刻な状況を打破するべく、若年層をはじめとした献血未経験者に興味・関心を持ってもらうとともに、幅広い年代に訪れてもらうことを目的に、より広く、安全で清潔・快適な空間に生まれ変わりました。

 入り口には、より多くの人の目に止まるようデジタルサイネージで動画を流し、若年層や献血が初めての人でも入りやすいようになっています。

 中には、ゆったりと落ち着いた雰囲気の休憩ロビーが広がっており、待っている間にお菓子やジュースを無料でもらうこともできます。採血ルームは、安心してリラックスできる清潔感のある白を基調とした内装になっています。

 各ベッドにタブレットが設置されているため、採血中も、動画サイトを見たりラジオを聴いたりしながら過ごすことができます。採血時間は、全血献血で10〜15分程度、成分献血は採血量に応じて40〜90分程度時間がかかりますが、これならあっという間に過ぎそうです。

 献血は、自分の体の状態を把握することができるのも魅力の一つ。血圧・脈拍、生化学検査7項目、血球計数検査8項目という充実したデータを得られます。また、Web会員サービス「ラブラット」では、過去の検査結果と比較することも可能で、数値の意味や、基準値の説明、「どうしたら“献血できる健康”を維持できるか」などのアドバイスもあり、自分の健康維持や管理にとても役立ちます(要登録)。

 兵庫県赤十字血液センター献血推進課の髙田さんは「病気やけがで輸血を必要としている方々に血液を安定してお届けするためには、継続的な献血へのご協力が必要です。今回のリニューアルで誰もが過ごしやすい空間になっているので、今まで献血したことがないという人も気軽に訪れていただきたい」と話しました。

“誰かのため”だけではなく“自分のため”にもなるのが献血。快適に整えられた献血ルームであれば、これまで一歩踏み出せなかったという人も足を運びやすいのではないでしょうか。