サッカーの日本女子代表「なでしこジャパン」は28日、パリ五輪出場権をかけたアジア最終予選の第2戦、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)とのホームゲームに臨みます。この決戦を前に、なでしこジャパンOGの川上直子氏が、「行ける方はぜひ国立で応援してほしい!」と、東京・国立競技場への来場を呼びかけるとともに、20年前、同じ国立で行われた北朝鮮戦の思い出についても、自身がパーソナリティーを務めるラジオ番組で明かしました。

 24日の第1戦、北朝鮮のホーム扱いとなった試合では、スコアレスドローに終わった、なでしこジャパン。今月初めに北朝鮮・平壌開催がAFC(アジアサッカー連盟)の意向で白紙になり、1週間前になっても開催地が決まらない異例の事態のなか、サウジアラビア・ジッダで行われた一戦では、北朝鮮に攻められるシーンも散見されましたが、GK山下杏也加選手(INAC神戸レオネッサ)らの好守などでしのぎ、無失点を達成。攻撃では1点が遠かったものの、180分の戦いの前半を0-0で折り返すことができました。

 川上氏はラジオ番組『カンピオーネ!レオネッサ!!』(ラジオ関西)生放送で、「負けないでよかった。今回はやられていてもおかしくなかった試合。スタジアムがぐるっと北朝鮮サポーターに囲まれたなかでやっていたら、たぶん負けていたかなと思う」と、第1戦の感想をコメント。北朝鮮のチームについては「遠目からのシュートでもしっかり枠にとばしてくる技術力の高さがあり、フィジカルも強い」と警戒します。

 第2戦に勝ったほうが五輪出場権を勝ち取るというわかりやすい図式になったなか、日本としては、昨秋に事実上のB代表が北朝鮮に勝って金メダルを獲得したアジア大会の再来といきたいところです。「めちゃくちゃ暑いところからの帰国で、中3日での試合だが、頑張って乗り切ってほしい!」と川上氏は後輩たちにエールを送っていました。

 なお、JFA(日本サッカー協会)によると、28日の一戦の当日券は、残券がある場合、オンラインで同日午後7時半まで販売するとのこと。またJFAの女子サッカー公式X(旧Twitter)アカウントによると、ゴール裏チケット販売済み枚数は、27日午後3時現在、ホームゴール裏応援席が1961枚、アウェイ(北朝鮮側)ゴール裏応援席が3000枚となっています。

 20年前、同じ北朝鮮との五輪出場権をかけた試合(2004年アテネ五輪予選)では、国立に約3万人のサポーターが集まり、チームを後押し。自らもピッチに立って五輪出場に貢献した川上氏は、青に染まったスタジアムの様子に勇気づけられた経験から、サポーターの応援の重要性も語りました。

「勝ったほうが五輪出場決定というのは、私たちの20年前と同じパターン。(当時は)すごくドキドキで、どうしようと思っていましたが、最後は、『試合に負けても殺されるわけじゃないから、もうやるしかない』と。そんな気持ちで、新宿のホテルに泊まっていて、バスに乗り込んだことをすごく覚えています。勝てるかな、どうかなというすごい不安とプレッシャーの中で(ピッチに)入場したとき、みんながスタンドに(日本のユニフォームカラーの)青い紙を持っていて、スタンドが青で濃かった。3万人くらい(観衆が)いたのかな。それを見た瞬間に、私は、『今日は絶対に勝てる!』と思ったんです。それは今でもすごく覚えています。

そのときの北朝鮮もいっぱい応援に来ていたのですが、3-0と快勝できたのは、スタジアムの雰囲気に北朝鮮の選手がのまれたからかなと。私がいる右サイドのほうに、試合が始まってすぐにボールが飛んできたんですが、北朝鮮の選手がヘディングをかぶったのかな……それを目の前で見たとき、『この人たち、今日、普通じゃないな』と思ったんです。

今、思い出しても、すごく印象的な試合でした。2000年に(日本女子は)シドニー五輪を逃しているので、2004年はなんとしても出ないといけないというのはあり、いろんな気持ちを背負ったなかでの試合でしたから。

今回も勝たないと(パリ五輪に)出られない。そのなかで、スタジアムの雰囲気づくりってすごく大事だと思うんです。(サポーターの応援は)選手の背中を押してくれるもの。だから2月28日は、ぜひ、国立に集まってほしい!」(川上氏)

(※ラジオ関西『カンピオーネ!レオネッサ!!』2024年2月19日、26日放送回より)