昨年(2023年)9月、神戸の阪神元町駅の地下にあった日本最古級の地下街「有楽名店街」が閉鎖され、大きな話題を呼びました。じつは、そんな元町に現在でもひっそりと営業を続ける地下街があり、軒を連ねるテナントが魅力的だというので密かな人気を呼んでいます。

 阪神電車西元町駅の地下に広がる西元町6タウン地下街。昭和の空気感漂うこの場所に昨年11月にオープンしたのが『喫茶fuminote(フミノテ)』です。

 店主の横尾さんは、もともとは京都や大阪を拠点に手作りの焼き菓子を販売し、予約制の喫茶ブースのような形の店を営んでいました。昔から大の喫茶店好きで、「いつか、サラリーマンのおじさんがふらっとモーニングに立ち寄るような、素朴な喫茶店を持ちたい」という夢を持っていたと話します。

 そんな横尾さんが、昔ながらの喫茶店を開業するとの目標に向けて物件を探し始めたところ、地元でも知らない人が多いという、“アングラ”な雰囲気漂うこの場所に出会ったそうです。

 同店のメニューには、プリンやチーズケーキといったスイーツのほか、多い時には7種類を取りそろえるというトーストも並びます。これが人気なのだそう。とりわけ「木次(きすき)モッツァレラチーズ&塩バターのトースト」(税込500円)は、シンプルで濃厚な味わいがSNSでも評判のメニュー。芳醇な味わいのバターに、島根県・奥出雲地域で飼育された牛の生乳で作るチーズを合わせています。神戸を中心に活動するインスタグラマー・ウラリエさんも「じゅわんと溶けるバターに弾力のあるモッツァレラの組み合わせが最高!」と、イチオシコメントを発信しています。

 どこかレトロで隠れ家のような雰囲気や、居心地の良さも好まれている喫茶fuminote。毎週火曜の朝8時から11時はモーニングセット(バタートースト、ゆで卵、ドリンク/税込500円)も提供しているとのこと。(7月末まで営業日は土日のみ 午前11時〜午後4時)

 横尾さんは、「まだ、目指していた喫茶店そのものを実現できてはいないのですが、理想には近付いているかなと思っています」と控えめに語りました。

※ラジオ関西『Clip火曜日』より