大阪・関西万博の開幕まで1年となり、来場者を迎えるスタッフ用の公式ユニフォームのデザインが決まった。 運営する日本国際博覧会協会が13日、東京都内で開いたイベントで公表した。

 デザインを担当したのは、制服メーカー「豊通ユニファッション」(愛知県名古屋市)のデザイナー・服部真理子さん。博覧会協会が5月18日〜6月19日に一般公募した。
 513作品(応募者数369名)が寄せられ、1次審査、試作品によるプレゼンテーションを行う2次審査、著作権や意匠権の調査を経て服部さんの案が採用された。

 ユニフォームは多様性の観点から年齢や性別に関係なく、暑さ対策、着心地、機能性、耐久性、環境に配慮した素材の使用や会期終了後のリサイクルなどの総合的な視点で製作した。企業協力は東レ、ミズノなど9社(終了後の運用含む)。

 来賓のアテンド、通訳、案内所等で働くスタッフが着用する「アテンダントスタッフユニフォーム」は、折り重なるようなフォルムが、樹木に豊かさや生命の力強さを感じさせる。男女の差をなくし、ロングスカートは男性が着物を着た時と同じ印象にした。ボトムはパンツか巻きスカートで選ぶことができる。
  素材は植物由来で、白を基調としたジャケットに、アンダーシャツは緑、青、赤の3色。

 服部さんは「意外性のあるバランス、生地の組み合わせで、これまでの常識を変えるワクワク感を表現。自分の意志で組み合わせも自由。新たなユニフォームのあり方を提案した」と話した。
 万博終了後は回収され、再生原料となる。

 このほか、運営スタッフのユニフォームは、土の微生物の働きで水とCO2に分解して堆肥となる。帽子は淀川・琵琶湖のヨシ繊維を使い、使用後はパネルに。
 医師スタッフのユニフォームは、一見白衣のように見えるが、間伐材を使った木の糸を使用している。

シューズはリサイクル素材を使い、靴底の一部分(ミッドソール)にサトウキビ由来の材料を用いた。抗菌効果もあるという。

 デザインの審査に当たったコシノジュンコさんは、「当時31歳で、3つのパビリオンのユニフォームのデザインに関わった、1970年大阪万博の経験は大きい」と話す。そのうえで「今回、デザインが採用された服部さんには、これを機に大きく羽ばたくデザイナーになってほしい。そして次世代のファッション界を担うチャンスがある子どもたちも、こうしたデザインに触れ、関心を持ってもらいたい」とコメントした。

 この日のイベントでは、ファッションショー形式でユニフォームを発表した。3月に大阪・関西万博スペシャルサポーターに就任したばかりのNMB48・小嶋花梨さんは会場サービスアテンダントのユニフォーム、塩月希依音さんと坂田心咲さんは運営スタッフのユニフォームを着用してランウェイを歩いた。

 小嶋さんは「軽い着心地でスタイリッシュ。自分らしいものを選べる自由さがあるのも素敵」、塩月さんは「非常に軽くてアクティブな動きもしやすそう。通気性も速乾性もありそうなので、夏でもいい着心地だと思う」と感想を述べた。