1日およそ30万人が利用する、神戸市営地下鉄。新神戸駅から西神中央駅を結ぶ「西神・山手線」、三宮・花時計前から新長田駅を結ぶ「海岸線」、そして新神戸から谷上を結ぶ「北神線」の3つの路線からなり、神戸市民の通勤、通学を支えています。

 神戸市営地下鉄が開業されたのは、1977年。開業以来、毎日の安全な運行のため、定期的に工場で車両を分解したうえで、装置を使って肉眼では見えないような小さな傷を調査し、洗浄機でパーツを洗浄。保全技師によって毎日行われる線路点検や車両内の清掃など、電気設備、路線、車両ともに日々細やかな整備が行われてきました。

 しかし、開業から47年が経過したこともあり、駅構内やプラットホームの壁や床、天井には日常の清掃では落としきれない汚れが目立つように。そこで、地下鉄の「暗くてきたない」というイメージを払拭し、駅を明るくすることで利用客に喜んでもらおうと、大がかりな特別清掃キャンペーン「KOBE KAWARU ACTION(コウベ カワル アクション)」が実施されました。

 同キャンペーンは、「駅から神戸をよくしよう」を合言葉にはじまりました。まちの顔であり玄関口である駅をより魅力あるものに変えていくことで、地下鉄ひいては神戸市そのもののブランド力アップを目指した取り組みです。

 駅構内には、ほほえみを誘う車掌のキャラクターイラストと緑のブランドカラーを合わせたPR看板などが設置されました。

 第1弾の特別清掃は、2023(令和5)年5月30日から10月31日までの期間で「西神・山手線」、2023(令和5)年10月16日から2024(令和6)年3月31日までの期間で「海岸線」で実施。地下鉄の運行終了後から始発前までの時間帯に毎日行われ、合計10か月かけて清掃されました。

 地下駅の清掃は1駅につき概ね1か月を要しましたが、地上駅は出入り口の面積が少ないことや雨風により汚れていなかったことから2週間程度で終了したといいます。

 神戸市交通局 高速鉄道部運輸課の勝係長は、「大掃除のあと、地下鉄の利用客から『明るくなって気持ちがいい』『きれいにしてくれてありがとう』という声をいただいた」と、清掃後の変化を実感。「創意工夫しながらきれいになった駅を維持していきたい」と話しました。

 駅のトイレやリノベーションなど、第2弾、第3弾と今後も続いていくキャンペーン。次はどんな「KOBE KAWARU ACTION」が行われるのか注目です。

※ラジオ関西『サンデー神戸』2024年4月21日放送回より