子どもから大人まで楽しめるプラネタリウム。子ども連れに人気でデートスポットとしてもメジャーな存在だが、大人だけで行く機会はそう多くはないかもしれない。神戸で唯一のプラネタリウムがある「バンドー神戸青少年科学館」(神戸市中央区)では、“日本初導入”の設備や音楽を絡めた企画など、大人をターゲットにした工夫も重ねている。同科学館広報担当者に、‟大人も楽しめるプラネタリウム”の最新事情を聞いた。

 今年で開館40周年を迎えた同館は、「ふれる・つくる・つながる」をコンセプトに、体験型展示やワークショップ、科学教室などを通して、科学や宇宙をたのしく学び遊べる科学館として知られている。

 広報担当の山下さんは同館のプラネタリウムについて、「最新の投映機が導入され、限りなく本物に近い美しい星空の再現から、138億光年の彼方までの時空を超えた宇宙空間への旅行もできます」と紹介。「8.2チャンネルサラウンド音響や、空間を鮮やかに彩る演出照明、配信ネットワークなどの各種システムも備えていて、ライブコンサートやパブリックビューイングなど、従来とは違うプラネタリウムの新しい楽しみ方を提供しています」と魅力を語った。

 そんな同館のプラネタリウムには、公共のプラネタリウムとしては日本初導入となる設備が整えられているという。二人掛けのソファー型リラックスシートだ。4シート備えられていて、靴を脱ぎクッションを枕にしながら、よりくつろいだ姿勢で投映プログラムを楽しむことができるそう(事前予約不可)。

 番組パーソナリティのロックバンド・ワタナベフラワーのメンバー3人は「大人が楽しめる施設も充実しているんですね」と目を輝かせた。とくにクマガイタツロウは「大人になってから行ってみ? めっちゃおもろいで!」と興奮気味に語り、「大人になってから、子どもの頃あんまり見てへんかった説明を読むとおもろいねん。これ習ったな〜とか新しい発見がある。子どもから大人まで楽しい」と、大人ならではの味わい方があることを伝えた。

 そして、同館のイベントでいま注目を浴びているのが、開館40周年記念としてプラネタリウムで展開されている特別上映『ピンク・フロイド−The Dark Side OF The Moon』だ。

 1967年にデビューし、イギリスを代表するロックバンドとして知られるピンク・フロイド。じつは今から約50年前の1973年、アルバム『The Dark Side OF The Moon(邦題:狂気)』初披露の記者発表を、ロンドンのプラネタリウムで実施した。当時メンバー4人は宣伝嫌いとして知られ、記者発表当日にゲストを迎えたのも4人の等身大の切り抜きだった。しかし、本人不在にもかかわらず、プラネタリウムを舞台にしたプロモーションは大成功。それをきっかけに、同アルバムは世界的に大ヒット。現在までに5000万枚以上の売り上げを記録している。

 同館での特別上映は、そんな伝説的エピソードを今に伝える『The Dark Side OF The Moon』の楽曲を、最新のプラネタリウムテクノロジーによってと全天周映像と融合させたプログラムだ。これが話題を集め、追加上映含んで7月末までに10日間用意された日程はすべて満席という人気ぶりを見せている。

 この特別上映について、クマガイが「こういうの(音楽イベントなど)、これからまだまだできそうですね?」と聞くと、山下さんは「プラネタリウムは星空を見ていただくのがメインではありますが、全天型のシアターをどんどん活用し、大人の方にも楽しんでもらえることを企画していきたいと思います」と応えた。

※ラジオ関西『Clip水曜日』2024年6月5日放送回より

(取材・文=迫田ヒロミ)