群馬県警が2023年に受理した拾得物は12万9604件で、比較可能な17年以降では最も多かったことが、県警のまとめで分かった。このうち返還されたのは2万1704件だった。担当する会計課は新型コロナウイルスの5類移行で人出が多くなったことが一因とみている。

 内容物を数える「点数」で最も多かったのは会員証類の3万1815点。キャッシュカード類1万9383点、保険証類1万2872点、プリペイドカード類9829点が続いた。ハンカチなどの生活用品は7708点だった。

 現金は計2億2701万6093円だった。最高額は213万8000円で、すでに持ち主に返還された。

 07年の遺失物法施行以降、コロナ禍の20年に1度だけ前年を下回ったが、増加傾向にある。同課はさらに増え続けた場合、拾得物を管理する倉庫の仕様を変えるなどの検討が必要だという。

 事務処理の負担増加も懸念されている。同課は早期の発見・返却につなげるため、気付いたら早めに届け出るよう呼びかける。遺失物届は電話でも受け付けている。

 遺失物法では、保管期間を3カ月と定める。個人情報が記載された物を除き、落とし主が見つからない場合は拾った人の物になるが、権利を放棄するか、2カ月以内に受け取らない場合、所有権は都道府県に帰属する。