前橋市にある群馬県内最大規模の大型団地「広瀬団地」の未来について話し合う広瀬団地再生ビジョンワークショップ(県、市、県住宅供給公社主催)が30日、同市広瀬町の2丁目集会室などで開かれた。地元住民や事業者、学生ら計48人が団地周辺を歩いて観察。団地の魅力や気になるところについて、それぞれの視点から意見を交わした。

60年先のビジョン

 団地の老朽化に伴い、県は市や県住宅供給公社と連携して住宅建て替えに乗り出している。今年策定した広瀬団地の60年先の未来を描く「団地再生ビジョン」の一環として、住民らからの意見を幅広く活用しようとワークショップを実施。団地内の居室をリノベーションし、実際に住みながらコミュニティー復活といった課題解決を目指している前橋工科大の学生らも参加した。

 参加者は最初に2グループに分かれ、県や市、県住宅供給公社の職員による解説を受けながら、約1時間にわたって団地エリアを散策した。周辺の道路や施設の様子なども見て回り、団地を取り巻く現状を確認していった。

 散策後は集会室で5グループに分かれ、それぞれ気付いたポイントを指摘し、良いところや改善点を記した付箋を地図に貼っていった。最後に行われた各グループによる発表会では「おいしいコーヒーを飲めるお店が増えたらいい」「団地の壁にアートがあったらいい」といった意見が出たほか、広瀬川周辺の有効活用などについても話し合った。

 同大2年の大川世燿(せいよう)さん(19)は「自分が思い付かないような意見が出て面白かった。参考になった」と話していた。