付き合って数年経ち、喧嘩もせず、順風満帆な恋愛関係なら「そろそろ彼からプロポーズもあるかもな〜」なんて期待も出てくるもの。しかし、そんな彼女とは裏腹に、実は彼が前々から別れるタイミングを伺っていたとしたら…。

今回は、ある日突然同棲中の彼とお別れすることになった女性のエピソードです。

「普通に、このまま彼と結婚するんだろうなと思っていました」そう話すのは、外資系企業で働くバリキャリ女子の紗栄子さん(32歳/仮名)。

◆真面目な年下の彼
紗栄子さんと同棲中のAくん(27歳)は、友人を介して数年前に知り合いました。交際のキッカケは、Aくんからの猛烈なアプローチによるものだったそう。

「Aくんはどちらかと言うと陰キャで、恋愛経験も少なそうなタイプです。感情表現も少なく、いつもポーカーフェイスなんですが、そんな彼から熱烈なアプローチをされたので、逆にグッと心に響きました」

交際を初めてすぐにふたりは同棲を開始。恋愛経験はある程度豊富な紗栄子さんにとって、彼女の一挙一動にドギマギしているAくんは新鮮でした。

「もしかして私がまともに付き合う初めての相手だったのかも知れません。ハッキリとは聞いていませんが…。慣れてない感じが、可愛くてキュンキュンしました」

◆順風満帆かと思いきや…?
同棲して4年ほど経ち、穏やかな日々が続いているように思われました。

「Aくんは口数も少なくポーカーフェイスなんですが、喧嘩もなく穏やかな毎日でした。でもよく考えればちょっとした変化はあったのかも知れません。私は仕事も忙しかったので、Aくんの変化を気にする余裕がなかったんだと思います…」

ある日、Aくんのカバンが置いてあり、そこから小さい名刺のような物が顔を出していました。

「何気なく目に入ったその名刺に、不動産屋さんの会社名みたいなものが見えたんです。そこでピンときて、その名刺を取り出したら、やっぱり不動産屋さんの物でした」

不動産屋さんの名刺が意味するものは…?

◆引っ越しを計画していた彼
紗栄子さんは、名刺をAくんに見せつつ「これって何?」と問いました。するとAくんはしばらく言葉に詰まったものの「ひとりで暮らそうと思ってる」と言ってきたのです。

「何の説明もなかったので『それって、私と別れて1人で暮らすっていう意味なの?』と聞いたら、Aくんは黙って頷きました。『もう契約したの?』って聞いたら、それにも頷きました」

言葉少ないAくんに、矢継ぎ早に質問すると、契約はすでに来月からだと言います。実は2人が住んでいるアパートも、来月いっぱいで解約の手続きがすでにAくんによって済まされており「話さなきゃと思ってた」とのこと。

「頭が真っ白になりました。『は?』って感じですよね。とりあえず身の回りの物を持って、家を飛び出しました」

◆思い当たる出来事とは?
実は前日まで夜の営みもあり、うまくいってるつもりだった紗栄子さん。急展開に大きなショックを受けました。しかし、少し冷静になって考えると、最近のAくんには気になる行動があったと言います。

「少し落ち着いたら、色々と思い出したんです…。そういえばAくんは、1週間くらい前になぜかお土産に高級スイーツを買って帰ってきたりしました。そんなこと、今までしたことないのに。

あと、夜に求めてくる頻度も、増えていたんです。今思えば、それは別れを決意し新しい家を契約までしていた罪悪感からだったと思うんです…。その時は変だなと思いつつも、『愛されてるな〜』なんて思ってた私がバカみたいです…」

他にも、数ヶ月前に転職していたAくん。紗栄子さんは「家から遠いのに大丈夫なの?」と、何度も気にかけていたとのこと。

「よくよく考えたら、転職を決めた時にすでに別れを考えていたんだろうと思います。そういえば、不動産屋さんの名刺も、新しい会社から近い場所でした」

紗栄子さんは、最後に1度だけ、Aくんに会って話すことを決意します。

◆別れの理由は?
悲しみと怒りで頭が混乱していた紗栄子さんは、Aくんと最後に話し合うことにしました。

「アパートに自分の物を取りに行かなきゃいけないので、その時に話すことにしました。『最後にちゃんと話して』とLINEしたら『わかった』とAくんも応じました」

アパートのテーブルに向かい合って座ると、Aくんが緊張してソワソワしているのがわかったと言います。冷静なトーンで、「いつから別れようと思ってたの?」と紗栄子さんが聞くと「…半年前くらいから」とAくん。「他に好きな人ができたの?」と聞くと「…違う」との答え。

「何が理由なのか知らなきゃ前に進めないから、『何が理由かハッキリ言って』と少し強めに言うと、しばらくしてAくんがポツポツ話し出しました」

◆「もっと経験を積みたい」ってつまり…
Aくんの話した内容は「自分は経験が少ないから、このまま結婚はできない」というもの。そして「ひとりになって人生経験を積みたい」というものでした。

「つまり、“もう私には飽きたから、他の女性と付き合いたい”ってことなんです。ぶっちゃけ。呆れました」

「分かった。今までありがとう!」と言い、荷物を持ってアパートを出た紗栄子さん。ショックを受けていたため、どうやって帰ったか覚えていないと言います。

「彼の些細な変化をちゃんと気にしていたら、もう少し早く心の変化に気がつけたかもと思います。次はもう、“恋愛に飽きている”くらい経験豊富な男性と付き合いたいです」

<文/まなたろう>
【まなたろう】多岐にわたって興味があるアラフォーライター。コーヒーが好きで資格を取得中。海外に12年ほど住んでいたため、英語はそこそこ堪能。