「家族は仲良く」が“是”とされがちな世の中ですが、人によっては、その「家族」がメンタルを不安定にさせることもあります。
「家族との居心地が良くなかった」と言う喜田川さん(仮名・43歳)も、家族との仲に悩む一人。機能不全状態の家庭との距離の取り方に「迷いがある」と言います。
関わり合いのない両親ときょうだい

「家族経営で、両親やきょうだいは常にお店に出ていたので、食事は一人でとれる時にとるという感じ。家族だんらんという機会はなかったです。みんなお互いに興味がなく、近づくと冷たくされて傷つくだけなので、仲良くしないようにしていました」
母親とは唯一会話をしていたものの、父親とは話が成り立たない違和感があったのだとか。
「父親は、客商売をしていたにもかかわらず、全く会話が成り立たない人でした。お客さんに対して失礼なことを言ったり、普通に会話をしていたと思ったら突然返答がなくなったり。なんらかの発達の疾患があるのではないかと疑っています」
両親だけでなく、きょうだい同士も関わりがなく、距離があったのだとか。
「若い頃、兄と妹は引きこもっていて、部屋から出てきませんでした。両親も特に何か対処をすることはありませんでしたし。今思えば、私の家はいわゆる『機能不全家族』だったんだと思います」
家族の大事な連絡すらしない母に驚愕

とはいえ、血のつながった間柄。連絡しなければならないこともあるはずです。しかし、家族はそのラインを逸脱していたと、喜田川さんは家を出て初めて知りました。
「母とは時々連絡を取ってはいたのですが、大事なことを共有してくれず、驚きの連続でした。一番衝撃だったのは、祖父や祖母が亡くなったことを、亡くなった当日に連絡してきたこと。特に母方の祖母とは毎年会うほど仲良くしていたので、亡くなる前に会いに行きたかった……。それからはもう実家に帰りたくなくなりました」
さらに、父親ががんになった時も、手術して退院してから初めて連絡があったのだとか。家族の一大事にも連絡がないことで、すっかり信用を失ってしまいました。
感情を入れると腹が立って……

友達のようにフランクに接してくれる、自分の夫の家族の方が居心地がよく、コミュニケーションが取れているのだとか。
「このまま実家と連絡を取らないでいられるならそのままでいたいですが、家族ではなく、自分に問題があるのでは?という思いもあります。頑張って向き合った方がいいのでしょうか……」
専門家が示す「打ち解け合えない家族と上手に付き合うには」

また、周囲の言葉に流されて、無理に付き合い続ける必要もない、と三凜さんは言います。
「周りに何を言われても、大事なのはあなたの気持ち。夫の家族との居心地が良いのであれば仲良くすればいいし、合わない実家とは割り切って付き合えばいいのです」
世間としても“多様性”が叫ばれていますが、家族間でも「価値観が違って当たり前」と気づくことで、心が楽になるのかもしれません。
<三凛さとし 取材・文/女子SPA!編集部>
【三凛さとし】
ライフコーチ。親子関係心理学の専門家。米NY州立大学卒業。家庭内のトラウマによる生きづらさを抱えるアダルトチルドレンをセルフコーチングで克服。その経験から、才能開花や経済的成功、パートナーシップ改善を指南する自己改革プログラムを開発。9万人以上の人生好転をサポート。SNSやオンラインスクールを通じ、お金・時間・場所の自由、そして人間関係と心身の健康の充実を実現する方法を発信中。世界的起業家イーロン・マスクの母、メイ・マスクの子育てについての日本初講演会にて、インタビュアーに抜擢される。YouTube「スピリチュアル・リッチ三凛さとし」/Instagram:@sanrin_hikiyosecoach/Twitter:@sanrin_hikiyose