子ども同士の性被害の実態を描いたエッセイ漫画『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。〜なんで言わないの?〜』が1月27日に発売されました。作者のゆっぺさんが実際に体験した性被害をはじめとする、子ども同士の性被害の問題がマンガで描かれています。

『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。〜なんで言わないの?〜』前回に続き、作者のゆっぺさんにお話を聞きました。今回は、思春期の子どもの性被害についてです。

 『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。〜なんで言わないの?〜』収録「“思春期の性”、あなたならどう向き合う?」©ゆっぺ/扶桑社(以下同)

望まない妊娠も。思春期の子ども同士の性被害

――思春期の子どもの性被害について、ゆっぺさんはどのように考えていますか。

ゆっぺさん(以下、ゆっぺ)「書籍にも収録している、“思春期の子ども同士の性被害”についてのマンガ『“思春期の性”、あなたならどう向き合う?』をブログに公開したころ、読者の方から様々なコメントや体験談をいただきました。そして、思春期の男子は私たち女性の想像を遥かに超えるレベルで、性に興味を持っているということを改めて実感しました」

――マンガでは、性欲を持て余して暴走する男子「ばっ太」が登場していますね。

『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。〜なんで言わないの?〜』ゆっぺ「この作品では、同じクラスの男子からキスを迫られたり、裸の写真を送るように脅されたりした女の子の実体験を描いています。これについても、『思春期の男子はそんなもんじゃない』『毎日、もっと性的なことを考えている』というコメントを多数いただきました。

読者の方から寄せられた体験談の中には、強制性交や望まない妊娠といったより深刻な問題をはらむものもありました。ブログで発表するマンガという性質上どうしても描けない部分もあるのですが、もっと深刻な現実もあるんだということは、この場を借りてお伝えしておきたいです

体は大人でも心は成熟しきっていない思春期

――10代になると、妊娠の可能性もあるという意味でも性被害がより深刻化していきます。

ゆっぺ「体は大人になっても心は成熟しきっていない思春期は、直面する問題も多いですよね。だからこそ、大人がきちんと向き合わなくてはいけません。

以前、ある中学生の女の子の親御さんから、思春期の男子の性被害についてメールをいただいたことがあります」

リストカットした写真を送り「裸の写真をくれないと死ぬよ」

ゆっぺ「娘さんは塾で知り合った他校の男子に言い寄られて困っていたのですが、その男の子が『裸の写真を送ってくれないと死んじゃうよ』とリストカットした写真を送って娘さんをおどすようになったんです。それで娘さんはとうとう、男の子に裸の写真を送ってしまったそうです」

――優しさにつけこんだ最低のおどし、もはや脅迫ですね。

ゆっぺ「事件が発覚して、ご両親は学校の先生に相談しました。でも、学校の先生には『被害者である女の子も加害者である男の子も、生徒である以上守らなくてはいけない』と事件のことをあやふやにして、何の対応もしてくれなかったそうです。結果、娘さんは学校に行けなくなってしまったんです」

学校以外にも相談できる機関はないか、親自身も情報を集めたい

――被害にあった上に、大人である教師たちに助けてもらえなかった絶望感を想像すると胸が苦しくなります。ご両親が味方してくれたのは良かったですが……。

ゆっぺ「その話を聞いて、子どもに何か問題が起きた時、学校を含め対応を他人任せにはできないなと思いました。

学校以外にも相談できる機関はないかなど、親自身が情報を集めて対応する必要もあるのではないでしょうか」

※記事の最後に、子どもが性被害にあった時の相談機関をまとめて紹介しています。

子どもの異変に気づきやすくなるためには?

――マンガの女の子も、同級生の男子から「言うことを聞かないと写真をばらまくぞ」という脅しにあいます。それでも母親になかなか相談できず、親との関係にも悩む姿が描かれていました。

ゆっぺ「子どもが性被害を受けた場合、それを親や周囲の大人に伝えるのはとても難しく、私のブログへのコメントでも『親に言えなかった』という声はとても多かったです。ささいなことでも、親子で話し合える関係性を作ることの大切さを感じました

日ごろから環境を作っておかなければ、いざというとき話すのは難しいと思います。思春期になると会話をする機会も減りますが、毎日少しでも親子で会話する関係性ができていれば、『今日、学校で何か嫌なことがあったのかな?』と子どもの異変にも気づきやすいのではないでしょうか」

『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。〜なんで言わないの?〜』――子どもから話しやすい環境を作っておくことは大事ですね。

ゆっぺ「性被害にあった場合、やはり相談できる人がいることが大事だと思うんです。とはいえ『親には言えない』となると、SNSで知らない人に相談する子どもも多いようです。SNSでうまく悩みが消化できればいいんですが、SNS上にはもっと悪い大人がいる可能性もありますよね。

公的な相談機関もあるので、『困った時や誰にも話せないときは、ここに連絡してもいいんだよ』と事前に子どもと話し合っておくのも手ではないでしょうか。私も親には話せなかったですが、おばあちゃんなど身近な大人にSOSを出していたら……と思うことがあります」

子どもが自分で性被害を相談できる窓口も

性被害にあった子どものSOSを受け付ける機関は、公的機関も含めて多数存在します。親子で話し合うことが難しい場合、困ったことがあったらここに連絡できるよと、SOSの受け入れ先を事前に子どもに伝えておくのもいいかもしれません。

【子どもが性被害を相談できる、電話・メール・インターネット窓口】

子どもが相談できる窓口・性暴力に関するSNS相談「Cure Time(キュアタイム)」(内閣府)

・性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター(内閣府):全国共通番号 ♯8891(はやくワンストップ)

・18さいまでの子どもがつながる「チャイルドライン」

・10代のための相談窓口まとめサイト「Mex(ミークス)」

・24時間子供SOSダイヤル(文部科学省):0120-0-78310(なやみ言おう)

※その他、『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。〜なんで言わないの?〜』にも相談先を掲載しています。

次回は、いじめ問題やママ友関係についてゆっぺさんにお聞きします。

【ゆっぺ】

「ライブドアブログ OF THE YEAR2021」最優秀グランプリを受賞した『ゆっぺのゆる漫画ブログ』を運営。2022年にはライブドアブログ殿堂入りも果たす。『女教師Aが地位も名誉も失った話』、『女友達の裏の顔!?』などのヒット作を連発し、2021年には主婦ブロガー初の月間3,000万PVという快挙を達成。初の著書『5歳の私は、クラスの男子から性被害を受けました。〜なんで言わないの?〜』が1月27日に発売。

Instagram:@yuppe2、Twitter:@yuppe__

<取材・文/楠悠里、女子SPA!編集部 漫画/ゆっぺ>