いつの時代にも、嫁姑問題に苦労している人はいるようです。
今回紹介するエピソードの主人公、亜由美さん(仮名・36歳)は結婚11年目、3人の娘を持つ母親です。
一番下の子が生後6ヶ月で、保育園への入園が決まるまで育休を取っています。会社員の夫は、平日は忙しいものの土日はしっかり休める環境です。家庭は順風満帆にみえますが、どうやら嫁姑関係に悩んでいるようで……。
彼氏の実家で抱いた違和感
交際をスタートさせてから半年後には、お互いの実家に挨拶へ行く流れになったそう。
「でもね、挨拶に行った時、夫の実家には上がれなかったんです。実家の前までは行ったんですけどね、家からお父さんが出てきて、申し訳なさそうに言ったんです。『ちょっと、家が汚いから、今日は家に入れられないんです、ごめんね』って。私たちは突然行ったわけじゃなかったんですけどね。結構前から約束していたのに、その理由って……」
隣にいた夫からも「ごめんね」と謝られた亜由美さん。何とも言えない違和感を抱きつつも、それ以上の事は聞かなかったそうです。
顔合わせでもガン無視してくる義母

亜由美さんは夫の両親とほとんど会話を交わさないまま結婚し、しばらくして妊娠、出産します。しかし意外にも、夫の両親は孫の誕生を喜んでくれていたとか。
孫の誕生には喜ぶも、夫の実家には入れず…
今まで違和感を抱いていた夫の両親ですが、自分が子どもを産んだことで距離が縮まったと感じ、亜由美さんは嬉しかったといいます。
「でも、そうじゃなかったんです。子どもを3人産んだ今でも、私は夫の実家に入れないんですから。
夫の実家には、独身の妹も一緒に暮らしているんです。だから子どもたちを預けても、大人の手はあるみたい。まぁ、子どもが産まれると、なかなか自分や夫婦の時間が作れないので、そこは助かっているんですけどね」
「あの人を家に入れるのは嫌」聞いてしまった義母の本音

「実家に子どもを預ける時、夫とそのまま出掛けようと車で待ってたんです。その時にね、聞こえちゃったんですよ。『あの人を家に入れるのは、嫌なの。私は、家族以外の人を家に入れるつもりはないから』って話す義母の声が……」
亜由美さんはその言葉で、義母が血のつながりがある夫と子どもたちを「家族」と言い、嫁を「他人」と思っていることがハッキリ分かったそうです。
「お正月に挨拶に行った時も、私だけは夫の実家に入れません。これまで、子どもたちには『ママ、用事があるから留守番するね』と言っていたのですが、小学生になった上の子が最近、何かおかしいと気付きはじめたようです。どう説明すれば、いいですかね?はぁ、私は一生、夫の実家に入れないのかな……」
そう言って、大きなため息をついた亜由美さん。亜由美さんが夫の実家に足を踏み入れる日は、くるのでしょうか?
<取材・文/maki イラスト/ただりえこ>