こんにちは、恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラーの堺屋大地です。
筆者はLINE公式のチャットサービスにて、年間約1500件のペースで恋愛相談を受けています。また知人経由で対面の相談を受けることも多く、性別・年齢問わずさまざまな方の恋のお悩みをうかがってきました。
そこで今回は、30代女性・A子さんから筆者に寄せられた相談内容をもとに、「やさしかった男性が豹変して理不尽なひどい言動をする意外なワケ」を解説させていただきます。
※ご紹介する相談内容はご本人の許可を得て掲載しています。ただし、プライバシー保護のため実際のエピソードから一部変更しています。
少し奥手だが紳士的でやさしい彼

「B男さんは少し奥手だけど、私のことをとても気遣ってくれる紳士的な人でした。恋愛経験は少なくて彼女ができたのは私で2人目らしいんですけど、デートのエスコートはばっちり。
私が行きたいと言っていた銀座のカフェレストランとかディズニーシーに連れて行ってくれて、しかも万全に下調べしておいてくれるから当日もスムーズ。まるでお姫様扱いですごくうれしかったんです」
ある出来事がきっかけで豹変…
「B男さんがちょっと素っ気なくなってきたと感じて、女友達に相談してマッチングアプリを調べてもらったんですけど、彼は退会もせずに頻繁にログインしていたことがわかったんです。……そのことを追求した日から彼は豹変。
アプリの指摘については逆ギレで否定し、その後LINEの頻度や文章量は明らかに減りました。デートではお店を予約してくれることはなくなり、口数は少なくてつまらなそうな態度。
たまに口を開いたかと思えば『A子さんってめんどくさい性格だね』とか、『A子さんがまだ結婚できてない理由がわかったよ(笑)』みたいに、暴言や嫌味ばかりで……。
あんなにやさしく紳士だったB男さんが、どうしてこんなにも理不尽でひどいことばかりするようになってしまったんでしょうか?」
「やさしい風の言動」という幻想

まず、「やさしい風の言動」と「本当のやさしさ」は別もので、B男さんの場合は前者である可能性が非常に高いということ。
紳士的にやさしく接してくれている男性は、女性のためにそのような言動をしていると思うものでしょう。しかし相手がクズ男の場合、その認識を180°変える必要があります。
クズ男は、“自分の利益のために相手にやさしい風の言動をする”ことが往々にしてあるのです。
自分の欲望のためにやさしくする
好きな女性ができたら、クズ男のなかで「その好きな女を連れ歩いてイチャイチャしたい」という欲望が沸き上がります。
けれど、クズの本性を丸出しで接すると悪印象を抱かれてしまうので、その願望が叶いません。目的を達成するためには、相手の女性に好印象を抱いてもらう必要があるわけです。
余談ですが、この一連の思考の流れをクズ男は無自覚かつ無意識でやっている場合が意外と多いもの。
クズ男自身も相手の女性のためにやさしくしていると思い込んでいるけれど、本質的には自分の利益のためにやっているだけで、その不都合な真実に気づいていないというわけです。
ここまで説明すれば、おわかりになったのではないでしょうか。
要するに、クズ男の行動原理は常に自分の利益。我欲を満たすためには、相手(女性)からよく思われないといけないため、やさしい風の言動を発動しているだけなのです。
実際、A子さんはB男さんのやさしい風の言動に騙されて好きになってしまい、知らぬ間にクズ男の欲望を満たしてしまっていたわけです。
やさしくするメリットがなくなる

マッチングアプリを続けていたということなら、他に好きな女性ができていたという可能性もあるでしょう。
いずれにしても、「その好きな女を連れ歩いてイチャイチャしたい」がクズ男の目的でしたので、A子さんのことをもう好きじゃなくなっていれば、彼がA子さんにやさしくする理由(メリット)はなくなるのです。
B男さんにとってはA子さんにやさしくしても、もう自分の利益にはならないため、クズの本性があらわになっていった……ということでしょう。
無自覚なクズが一番タチが悪い!
ちなみに先ほどもお伝えしたとおり、クズ男は自らの最低な本性に無自覚というケースが多々あります。
B男さんは自分のことを紳士的でやさしい人間だと思い込んでいて、二人の不和も自分の責任ではなくA子さんのせいだと、本気で思っているかもしれません。
無自覚なクズほど、タチの悪いものはないのです……。
<文/堺屋大地>
【堺屋大地】
恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『smartFLASH』、『文春オンライン』、『集英社オンライン』などにコラムを寄稿。LINE公式サービスにて、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。Twitter(@SakaiyaDaichi)。