結婚する前は理想的な相手だと思っていたのに、結婚してみたら「なんか違う…」。二度と会いたくないと思えるほど、人として許しがたい存在になることもあります。
利根晴香さん(仮名・41歳)も、夫にモラハラと浮気をされ苦しんだ一人。そのつらい15年間について、お話を聞きました。
無言でスマホをいじり、育児も家事も一切しない夫
「『結婚しよう』というやりとりはなく、彼の母親が『結婚する』と受け取ったので、いつの間にか結婚していました」
ノープロポーズというめずらしい形で結婚し、すぐに子どもを妊娠。その頃の夫は結婚前と変わらず優しいままでしたが、子どもが生まれて育児が始まると、ガラッと変貌。家事も育児も全くしません。
「当時は初めての育児に手いっぱいで、夫が何もしないことに気づけませんでした。とにかく、ただ大変で。でも2人目を妊娠した頃、さすがに夫の無関心さに腹が立つようになったんです」
つわりで寝ていても、子どもがお腹を空かせていても、夫は一切関与せず。無言でスマホをいじるだけで、利根さんが食事を作るのを待っているのです。
「◯◯ちゃん、会いたいな」職場の女性にLINE

しかし、夫は「ただLINEをしているだけ」の一点張り。仕方なく許しましたが、その後も夫は変わらず。利根さんは、深夜の授乳中に横で爆睡する夫に、「殺意すら芽生えることもあった」と言います。
何もしないだけでなく、子どもに怒鳴るように
「ただ無言でスマホを触っているだけでなく、明らかに機嫌が悪くて。物を投げたり子どもに当たったりして、とても怖いんです。もともと無口な人なのですが、それが逆に恐ろしくて。子どもたちもビクビクしていて、とてもかわいそうでした」

その後、夫への愛はなくなっていたものの、夫に無理やり体を求められ、3人目の子どもを妊娠。夫は日増しに何もしなくなり、利根さんの負担は増える一方でした。
若い女性との密会が発覚し、ついに爆発
「子どもが電話しても『無理』とすぐ切られました。一緒に住むようになってからも嬉しそうな感じはなく、むしろよそよそしくて。なんか怪しいなと思ったら、やはり私がいない間に浮気をしていたんです」
またも先輩の密告から、夫が24歳の女性と逢引きしていたことが判明。さすがの利根さんも堪忍袋の緒が切れてしまいました。
血尿が出るほど体が限界だったのに
それから利根さんはしばらく耐えましたが、何も変わらない夫にほとほと愛想が尽き、離婚を決意。夫は拒み続けたものの、話し合いを重ね、約1年で離婚が成立しました。

夫と離婚した後にやってきた“大逆転”
「7歳も年下の後輩が、突然告白してきたんです。年下のイケメンだし、私は当時結婚していたしで全く意識していなかったのですが、強くアプローチされるうちに、気持ちはどんどん彼の方に向かっていて。『離婚が成立するまで待って』と彼に告げ、今ようやく無事に付き合うことができました」
出会いはどこから生まれるか、わからないもの。自分のためにならない人間関係を解消することで、自分にマッチした人が現れるのかもしれませんね。
―シリーズ「二度と会いたくない人」―
<取材・文/関由佳 イラスト/パウロタスク>
【関由佳】
筆跡アナリストで心理カウンセラー、カラーセラピストの資格も持つ。芸能人の筆跡分析のコラムを執筆し、『村上マヨネーズのツッコませて頂きます!』(関西テレビ)などのテレビ出演も。夫との死別経験から、現在グリーフ専門士の資格を習得中。Twitter/ブログ