こんにちは。恋愛・婚活コンサルタントの菊乃です。個別婚活相談や結婚相談所のセミナー講師をしながら、これまで1000人以上の「出会いがない男女」の相談に乗ってきました。

かつて髪はボサボサで化粧もしない「完全なる非モテ」だった筆者。「人は変われる」を自ら実践し、多くの方々の“もったいない”をご指摘してきた経験から、誰も言ってくれない「恋愛に役立つリアルな情報」をお伝えします。

将来結婚する相手は、出会った時にビビビとくるもの?

 写真はイメージです(以下同じ)少女漫画では大抵、付き合うことになる相手は出会った時に分かるようになっています。ビビビ婚をした女優もいましたが、「将来結婚する相手は、出会った時に分かる」というロマンチックな通説をどこかで信じる女性は多いようです

もちろんそういうケースがあることを否定はしません。初対面から盛り上がってすんなりゴールインするカップルはいます。でもそういう人が一般的なのではなく、惚れやすい恋愛体質なだけでは? とも思うのです。

出会いがないと思ってマッチングサービスを利用し、何人もの男性に会ってみた。けれど気持ちは1ミリも動かない。そんなケースは珍しくありません。真面目な女性は、どんどん会ってもなかなかピンとくる男性に巡り会えないと、軌道修正を検討します。可もなく不可もなく“嫌じゃない”程度でも、また会ってみようとするのです。

「試しにもう一度」会ってみても、盛り上がらないデート

試しにもう一回会ってみようと軌道修正したものの別の苦しみが続く恵さん(仮名・32歳)が相談にやってきました。20代前半のころに付き合った元カレと別れてから、恋人は7年いないそうです。

恵さんは、アプリで知り合った大輔さん(仮名)という同い年の男性とやりとりをしています。一度お茶をして嫌じゃなかったのと、活動エリアが近いから会いやすいぐらいの理由でまた会ってみることにしたそうです。

二度目は二人で夜ご飯を食べに行きました。相手を知るほど共通点がないことに気が付きました。恵さんは読書が好きで、大輔さんはゲームが好き。読書が好きと話しても「そうなんだ。お酒は好きですか?」と違う話題に飛びました。



「また会いたい!」と言われて、気持ちの差がツラい

恵さんの方から「ゲームはよくやるの?」「昔から好きなの?」と深掘りして質問していったら、大輔さんは気持ちよくなってずっとゲームの話をしていました。解散してからどっと疲れたそうです。

解散してから「今日はありがとう!楽しかったね!次は東京タワーのフットタウンに行ってゲームしませんか?」とLINEが来ますが、相手との気持ちの差が大きすぎてグイグイ来ることに戸惑います。

スマホを見て悩む女性お店は大輔さんが選んでくれたダイニングバーで、支払いは先方もち。料理もおいしく値段も安くはなさそうだったため、空気を読みすぎる恵さんは相手の期待に応えないといけない気がしてきて、つい楽しくもなかったのに「私も楽しかったです!ご馳走様でした。また予定確認してご連絡しますね」と返信してしまったそうです。

大輔さんからは「いつ行けそう?」と連絡がきますが、返信ができなくなって私のところへ相談に来ました。

楽しくなかったデートほど、相手より先にお礼の連絡を

本当は楽しくなかったのに、「楽しかったね!」と言われて合わせる必要はないのです。ただし、食事代を出してもらった、お店を予約してもらったなど、お礼を言える点を探してお礼を伝えるのが良いでしょう。

デート後は「今日はご馳走様でした」のたった一言でいいので、解散してあちらから連絡が来る前に送るのがおすすめです。もし、あちらから「楽しかったね」と言われて同意しにくかったとしても「今日はご馳走様でした。ありがとうございました」だけでOKなのです

期待を先読みして楽しかったと言えば、そりゃあちらは脈ありと思います。人と一気に打ち解けるタイプじゃなければ、無理にノリに合わせる必要はないのです。



観察・合わせる・我慢、を“努力”とカン違い

恵さんにLINEを見せてもらったのですが、相手に合わせて初デート後からため口でやり取りをしていました。一度ため口でやり取りすると、敬語には戻しにくいですよね。敬語は後からいつでもため口に移行できます。男性とのモチベーションの差を感じるとツラくなる場合は、初めから敬語を貫くようにした方が良いでしょう。

SNSのメッセージを確認する手元恵さんに限らず真面目すぎる女性は、相手を観察して期待を先読みし、合わせて、我慢して、ツラくなることを「努力している」と思い込みます。しかし本当にすべき努力は、自分の要望を言葉にして伝えることです

恵さんは考えた末、大輔さんにこう返信しました。

「こんにちは。お誘いの件、ご連絡が遅くなり申し訳ございません。ゲームはあまりやったことがないのでお食事しながらもう少しお互いを知っていきたいですがいかがでしょうか」

しかし、大輔さんから返信はありませんでした。3週間も連絡をしなかったのですから、あちらだって他の女性を優先するでしょう。それに突然の敬語。

次にマッチングした男性も、連絡が途絶えてしまった

恵さんは次に、誠さんという男性とマッチング。デートをして2回目に会う約束もしました。

1日1往復くらいの短い連絡が続き、やり取りしやすい男性だと思ったそうです。そして初デートから1週間ぐらいしたときに、誠さんからこんなメッセージがありました。

誠さん「4日に、お茶かランチでもいかがでしょうか?」

恵さん「お誘いありがとうございます。ごめんなさい。4日は予定があるんです

これを境に、誠さんから連絡は途絶えたそうです。



「その日は予定が…」で終了させるのは社会人としてアウト

「この流れだと、男性の方が『いつがいいですか?』とかまた質問して誘わなきゃいけないですよね。予定が合わないのは仕方ないですが、だったら代案を出しましょう」

「すいません。私に興味もってそうだったし、それぐらい聞いてくれるかなと思って

肘をついて考え込む女性「それが受け身で面倒くさいの。これが仕事だったら、打ち合わせの予定が合わなくて別日の代案を出さない人ってどう思います?」

「面倒くさいです」

「デートだって同じですよ。相手の好意の上にあぐらをかかないで。代案を出さないって社会人失格です」

「そうですよね。分かりました」

女性がやり取りしやすいというペースでメッセージを続けられる誠さんは、かなりコミュ力が高い男性なのだと思います。

受け身な姿勢を改めてみたら、彼氏ができた

誠さんから連絡がなくなったことは、恵さんにとって大きな転機でした。

「今までは受け身で自分が断ることの方が多かったので、断られたことがなかったんです。めちゃくちゃショックでした。好きになれなかったとしても、受け身な姿勢ってまず失礼だって気が付きました

その後、読書好きの男性を探して自分から「いいね」を送るようになった恵さんは、マッチングした男性とお付き合いすることになったのです。

恋愛や婚活のサポートって、出会ったばかりの男女のカン違いの溝を埋めることも重要な任務です。男性もまた、大いにカン違いしがちなのです。



勝手に盛り上がってしまう男性、引いてしまう女性

どちらかというと男性は、初めに盛り上がりすぎる人が多いように感じます。結婚相談所を使うと、出会って2回目に会ってもいいというステータスを「プレ交際」「仮交際」などと呼びますが、「交際」という名称のため一度会った程度で彼氏気取りになる男性がいるのです

向き合う男女しかしこんな風に盛り上がっている男性も、時間の経過とともに連絡が遅くなったりして徐々に冷静になってきます。

勝手に盛り上がってしまう男性に対し「好きとも何とも思っていないのに、次に会ったら付き合わなきゃいけないのかな」と思って引いてしまう恵さんのような女性は珍しくありません。

男性がグイグイ来ても「好かれている」と思わないで

このような状態で、女性も一度冷静になって考えてほしいのです。マッチングサービスを使っていれば、相手は他の女性とも会っています。自分に好意がありそうに見える男性たちから告白されましたか?

最初のデートでピンとこないとしても、2〜3回は会うようにしてほしいと思います。女性の方が、3回、4回と会うほど「いいかも」と思うようになることが多い傾向があると感じます。「好きでもないのに期待させたら悪い」と思い込む女性がいるのですが、2回会ったら男性側の気持ちが冷めてあちらから断られるかもしれないのです。

まだどちらにも主導権なんてないのに、選べるつもりで“ピンとこない男性”をどんどん断る女性が多いのは残念です。

※個人が特定されないよう一部脚色してあります。

<文/菊乃>

【菊乃】
恋愛・婚活コンサルタント、コラムニスト。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活を綴ったブログが「分かりやすい」と人気になり独立。ご相談にくる方の約4割は一度も交際経験がない女性。著書「あなたの『そこ』がもったいない。」他4冊。Twitter:@koakumamt