「月7万円で心が満ちる」。そんなの無理!と叫んだ私。

『低コスト生活』(朝日新聞出版)は、お金を使わず心を満たす、そんな夢のような本。著者・かぜのたみさんは、登録者数5.86万人のYou Tuberで「暮らしと自分をととのえる」をテーマに配信しています。

ミニマルライフ=我慢、ではない

 『低コスト生活 がんばって働いている訳じゃないのに、なぜか余裕ある人がやっていること。』(朝日新聞出版)かぜのたみ (著)会社員を辞め、自分に合った働き方や生活を模索するうちに自然と、少しのものとお金で暮らす生活スタイルになったそうです。お金がないと何もできない、と思いがちな私達。でも、かぜのたみさんの暮らしは、優雅でとても自由です。

「少しのものとお金で暮らすこと=我慢ではない」「少しのものとお金で暮らすこと=本来の自分に戻すこと」。こんな風にとらえてみると、お金との関係性が変わってくるのかもしれません。

そんなに頑張らなくてもいい

数年前まで、ごく普通の会社員生活をしていた、かぜのたみさん。職場で浮かない服装を選び、ランチや飲み会の誘いにのって、同僚や上司にプレゼントを贈る。それが当然だと信じていると、いつの間にか疲弊している自分にも気づかずに、お金ばかりが出て行ってしまう。

毎月決まってお給料が入ってくる安心感と、「自分」が目減りしていく不安感。ふたつの感情が拮抗している状態が、いわゆる「頑張っている」感覚なのでしょう。

「いまの自分」をほどほどに気に入っていれば、無駄なお金も使わなくて済む、というのがかぜのたみさんの実感です。自分で自分を認められないと、ハードルを上げるための努力とそれに伴う悩みが増えてしまいます。

努力が悪いのではなく、周囲と比較しない、自分が好きな本当の自分を認めてあげると、楽に生きられるのではないでしょうか。



自分だけの満足を探そう

「スタバで読書するのが楽しみ」だとしたら、節約のために我慢するのは苦痛になります。とはいえ「スタバの何が好きなのか」という点を見つめなおすと、意外な盲点が見つかるかもしれません。

 写真はイメージ(以下同じ)おいしいコーヒーが好きなら、ワンランク上のコーヒー豆を買って自宅で淹れる。店内のBGMが好きなら、自宅でカフェ計画ができないか模索してみる。

「ハッピーの元は意外なところにある」とかぜのたみさん。自分と対話していくと、思わぬ発見があるはずです。

流行っているからあの場所に行かなくてはならない。話題についていけないからあれを食べなくてはならない。それって、本当にやりたいこと? ストレスになるだけなら、「しない」選択も必要。衣食住の基準を周囲や世間体ではなく、「自分」にするだけできっと生活が変わるのです。

かぜのたみさんの生活費

かぜのたみさんのある月の生活費を公表します。

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〈固定費〉

 家賃 5万円

 水道光熱費 水道1500円

 電気・ガス 1700円

 通信費 5400円

〈変動費〉

 食費 3900円

 交際・娯楽費 2800円

 服飾・日用品費 0円

〈合計〉6万5千円

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かぜのたみさんはひとり暮らしですが、ひと月0円項目はまさに神です。お金を使わず、ストレスを発生させず、日々を充実して過ごす。時間を自分だけのために生かす秘訣を、本書から抜粋しますね。



あなただけのスペシャルな暮らしとは

●【『すぐに買わない』トレーニング】

STEP1「新しく取り入れることをやめる」

STEP2「明らかに使っていないものを手放す」

STEP3「使っているものを少しずつ整理する」。

100均に行くとつい「便利そう」と手にしてしまうグッズ。いったん冷静になって「便利」の耐久年数をシミュレーションしてみるのも一考。

●【ちょっとやめてみる】

目まぐるしく変化する情報化社会に生きる私達。朝起きてから寝る直前まで、無意識のうちに膨大(ぼうだい)な情報につかりきっているのです。

スマホをひらけばセールの情報。ついタップしてスワイプして購入してしまう、という流れに。この手のながら行動って、実はかなり危険。「買い物に行く日を決める」「頻繁に見るアプリは削除」など、ちょっとやめてみる意識を持つのは大切です。

●【『心地よいもの』を大切にする】

ミニマルな暮らし、シンプルライフ。SNSにアップされている写真は、どれもこれも素敵。憧れるけれど真似できない。それでいいのです。モノマネをしても、結局は自分テイストに戻ってくる。キャラクターグッズのマグカップや景品のお皿が好きなら、それでいいのです。

「馴染みのあるもの」「愛着があるもの」が心地よくなるのは当たり前。自分にとっての正しい「衣食住」を極めれば、それがあなたのミニマルな暮らしで、シンプルライフになるのです。

あなたは、いま、幸せですか?

幸せかぜのたみさんが低コストライフを好んでいるのは、「少しくらいの不便があったり、お金をあまり使わない方が、自分が何を幸せと感じるのかを、自分自身に問い続けられるから」。

便利すぎたり、情報の渦に巻き込まれたりしていると、自分だけの幸せの感度が麻痺してしまうのかもしれません。

幸せは与えられるものではなく、自分で感じるもの、自分で見つけるもの。そういう感度で自分だけの1日を作り上げる。あなたもあなただけの、小さくて大きな幸せを作り上げていきませんか。

<文/森美樹>

【森美樹】
1970年生まれ。少女小説を7冊刊行したのち休筆。2013年、「朝凪」(改題「まばたきがスイッチ」)で第12回「R-18文学賞」読者賞受賞。同作を含む『主婦病』(新潮社)、『母親病』(新潮社)、『神様たち』(光文社)を上梓。Twitter:@morimikixxx