F1第12戦ポルトガルGPのフリー走行2回目が、アルガルヴェ・サーキットで行なわれた。赤旗が2回出る波乱のセッションをトップで終えたのは、メルセデスのバルテリ・ボッタスだった。

 このセッション序盤の30分は、ピレリが2021年に向けて開発した新構造のタイヤをテストすることが全チーム、ドライバーに義務付けられている。

 各チームには3セットのプロトタイヤが与えられ、ひとりのドライバーが2セット、もうひとりのドライバーが1セットを使用、走行プランはピレリが設定する。さらにそのタイヤも8〜10種類用意されたようで、公平性を維持するために詳しいタイヤの情報は、使用するチームにも知らされなかった。

 気温20度、路面温度36度というコンディションでセッションがスタートすると、各車が続々とコースイン。マーキングが施されていないプロトタイプのタイヤで走行を開始した。

 しかし、メルセデスのバルテリ・ボッタスはガレージに留まっており、チームのクルーがフロントサスペンション周辺で作業を行なっていた。ただセッション開始から5分が経つ頃にはボッタスも走行を開始した。

 マクラーレンのカルロス・サインツJr.がスピンを喫するシーンもある中、メルセデスのルイス・ハミルトンが1分22秒147をマークしトップ。レッドブルのマックス・フェルスタッペンが2番手に続くが、ダニール・クビアト(アルファタウリ)が1分22秒486を記録し、フェルスタッペンを上回った。

 各車がどんなタイヤを使っているか分からないという状況ながら、セッション開始から10分のところでボッタスが1分22秒024を記録したことで、メルセデスがワンツーに。ただ、フェルスタッペンがタイムアップし、その間に割って入った。

 全車がいつも以上に精力的に走行していることもあって、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)はトラフィックが酷いと無線で不満を訴えるシーンも見られた。

 各チーム、”ショートラン担当”の1台は9周を走ったところでピットインし、タイヤを交換して再度コースイン。もう片方のマシンは”ロングラン担当”で、そのまま走行を続けた。ただメルセデスは、ハミルトンがロングラン担当だったものの「バイブレーションが酷い」と無線で訴え、12周を走ったところでピットイン。ひと足早く、タイヤテストを切り上げることになった。

 ロングラン担当は連続17周まで、ショートラン担当は各セットで9周ずつ走行し、30分間のタイヤテストは終了。首位は1分21秒575を記録したフェルスタッペン、2番手はボッタス、3番手にシャルル・ルクレール(フェラーリ)が続いた。

 タイヤテストが終了すると、ベッテルがミディアムタイヤで真っ先にコースイン。ピエール・ガスリー(アルファタウリ)やアレクサンダー・アルボン(レッドブル)もミディアムタイヤで走行を開始した。

 ベッテルが1分19秒936を記録し、タイムシートのトップへ。アルボンも2番手に続き、タイムシートは目まぐるしく塗り替えられていった。セッション残り50分を切ると、フェルスタッペンやメルセデス勢もコースイン。メルセデスの2台は、この週末初めてソフトタイヤを履いての走行となった。

 フェルスタッペンやルクレールが1分18秒後半のトップタイムを更新する中、ボッタスが1分17秒940をマークし、FP1のトップタイムを上回った。一方、ハミルトンはトラフィックに捕まり、アタックを中断した。

 セッション残り45分ほどのところで、ガスリーがターン12を立ち上がったところでパワーを失いマシンストップ。マシン後部からは火が出てしまい、セッションは赤旗中断となった。幸いガスリーは無事にマシンを降り、火もすぐに消し止められたが、マシンは消火剤で真っ白となった。

 セッション再開は残り時間29分から。ここで多くのマシンが新品のソフトタイヤを装着。メルセデス勢やニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)は赤旗直前に履いていたソフトタイヤでコースインした。

 各車、続々と予選想定のアタックを実施。フェルスタッペンはアタックを前にランド・ノリス(マクラーレン)と予選さながらの位置取り争いをしたが、タイヤが十分に暖まっておらず、アタックを中断した。

 翌周、再度加速しアタックに向かったフェルスタッペンは、前を走っていたランス・ストロール(レーシングポイント)とホームストレートで並走。半車身ストロールが前に出たまま、両車がターン1に突入……そして接触してしまった。

 弾き飛ばされたストロールがグラベルでマシンを止めたこともあって、再度セッションは赤旗中断となってしまった。この件は、すぐさまスチュワードの審議対象となった。

 セッション残り8分のところから走行再開。フェルスタッペンのマシンダメージは大きくなかったようで、ミディアムタイヤでコースに入った。

 マクラーレンのカルロス・サインツJr.が5番手、ノリスが3番手に飛び込んだものの、ソフトタイヤでのアタックでタイムを大きく伸ばすマシンはあまり出ないまま、セッションは終了となった。

 終わってみれば、ソフトタイヤでしっかりとアタックできたのは首位となったボッタスのみではなかろうか。2番手のフェルスタッペンは、ミディアムタイヤで記録したタイムだった。最初のアタックを決められなかったハミルトンは、8番手に沈んでいる。

 序盤のタイヤテストと2度の赤旗が影響し、各車ほとんどロングランを実施できず。消化不良でFP2を終えることになった。