2022年のMotoGP王者に輝いたフランチェスコ・バニャイヤ。ドゥカティにとっては2007年のケーシー・ストーナー以来のチャンピオン獲得となった。

 このふたりは、共にクリスティアン・ガバッリーニがクルーチーフを担当し、タイトルを獲得している。ガバッリーニはストーナーと共に、2011年にホンダでもタイトルを手にすると、2018年にホルヘ・ロレンソのクルーチーフとしてドゥカティに復帰。バニャイヤが2021年にファクトリーチームに昇格して以降、バニャイヤを担当している。

 ドゥカティでタイトルを獲得したふたりの違いについて訊かれたガバッリーニは、時代が異なるため比較は難しいとしながらも、800cc化初年度のデスモセディチGP7を見事に操ったストーナーの凄さを強調した。

 ガバッリーニは、2007年は新規則により燃料タンク容量が22リットルから21リットルへと減らされ、効率とスロットルコントロールの要求が厳しくなった年だったと振り返った。

「当時は電子制御が今ほど進化していなかったから、あまりそれに依存しないようにしなければならなかったんだ」

「ケーシーがホンダに来た時も、彼はスロットルやエンジンとの連動を最もうまくコントロールできるようにしたいと頼んでいた。当時、彼は電子制御よりも早く加速をカットできたので、より効果的だったんだ」

 ガバッリーニは、2007年に燃料タンクの容量が減らされたとき、ストーナーのスロットルコントロールが燃費を管理する上で決め手となり、それがライバルに対するパフォーマンス面でのアドバンテージにつながったと語った。

「2007年のドゥカティは、非常にパワフルなエンジンを搭載しながらも、ほとんど乗りこなせないような過激なバイクだった。あのエンジンは燃料を大量に消費していたんだ」

「長年にわたり、エンジンマネジメントを微調整してきた結果、ドゥカティはグリッドで最高のバイクのひとつになったのだ」

 積極的な空力開発とその強力なパワーを大きな武器に、今やグリッド最強のバイクという呼び声も高いドゥカティ。ストーナーが魅せた超絶技巧が、優れた制御システムを生む上での鍵になった……のかもしれない。