ヘレス・サーキットでMotoGP第4戦スペインGPの予選が行なわれた。最速タイムを記録してポールポジションを獲得したのは、母国戦のアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)だった。

 初日フリー走行の結果、ドゥカティのフランチェスコ・バニャイヤを筆頭にファビオ・クアルタラロ(ヤマハ)やアレックス・リンス(LCRホンダ)など実力者がQ1スタートに。Q2進出の2枠をかけた激しい争いが予想された。なおエネア・バスティアニーニ(ドゥカティ)は開幕戦で負った怪我の状態を考慮し、予選以降のセッションを欠場することになった。

 そんなQ1が始まるとひときわ速さを見せたのが、アルゼンチンGPで初優勝を手にしたマルコ・ベッツェッキ(VR46)だ。最初のアタックで唯一の1分36秒台を記録し。2番手に続いたクアルタラロに対しても0.230秒の差をつけた。

 暫定トップタイムのベッツェッキはQ1後半のアタックに一足早く入ると、単独走行でさらにタイムを短縮し、1分36秒777を記録。ただこれで楽々Q2進出とはならなかった。

 ベッツェッキのアタック後、ブラッド・ビンダー(KTM)、バニャイヤが共に暫定トップを上回るタイムをマーク。ベッツェッキは3番手まで蹴落とされた。

 再びのアタックでベッツェッキは自己ベストを更新し、1分36秒592で2番手に食い込むが、バニャイヤも負けじとアタックに向かうと1分36秒493を叩き出してトップタイムを更新。この状態でQ1は終了し、バニャイヤとビンダーがQ2へ進出。ベッツェッキは0.099秒の僅差でQ1敗退となった。

 そしてQ1終了時に、上空を覆う黒い雲から雨が降り始めてしまった。ただ雨量はそれほど多くないため、Q2が開始されるとほとんどのライダーはスリックタイヤを履いてコースへと向かった。

 スリックタイヤで走るライダーたちのタイムは、1分43秒台とドライで行なわれたQ1から大きくペースダウン。Q2折り返し時点では少し改善し、アレックス・マルケス(グレシーニ)の1分41秒682が暫定トップとなっていた。

 Q2後半に入ると他のライダーも徐々にペースを上げ始めた。1周ごとにラップタイムは大きく改善されていき、ラストアタック直前ではヨハン・ザルコ(プラマック)の1分37秒616が暫定トップとなった。

 ラストアタックでは1分37秒台に入れてくるライダーが続出。タイムシートの並びも次々と入れ替わっていくが、最後にアタックをかけたエスパルガロが1分37秒216をマークし、暫定トップを更新。これ以上の更新はなく、エスパルガロが今季初ポールポジションを獲得した。

 2番手はジャック・ミラー(KTM)、3番手はホルヘ・マルティン(プラマック)というフロントロウの並びとなった。

 初日にワイルドカード参戦ながら総合3番手タイムを記録して周囲を驚かせたダニ・ペドロサ(KTM)は、最終的に6番手タイムをマーク。2021年以来の実戦ながら、セカンドロウを確保してみせた。

 日本人ライダーの中上貴晶(LCRホンダ)は予選Q2からの走行。ただ、終盤のタイム更新ラッシュにのまれてしまい、11番手にとどまった。