角田裕毅(アルファタウリ)のマネージャーを務めるマリオ宮川氏によれば、アルファタウリやレッドブルから、来季チームがステップアップできるように頑張っているという情報が確かにあるという。

 F1日本GPの予選日朝、アルファタウリは来季も角田との契約を継続することを発表した。チームメイトは、ダニエル・リカルドが務めることになる。

 今季途中から角田のマネージャーを務めるのは、マリオ宮川氏である。宮川氏はかつてジャン・アレジや小林可夢偉のマネージャーを務めた人物であり、F1界での顔も広い。今回契約が発表された裏には、この宮川氏の後押しも十分にあったようだ。

「F1には、日本人ドライバーがいることが非常に大切です。しかも今年のユウキは、ダニエルとニック・デ・フリーズ、リアム・ローソンという3人の違うチームメイトと戦って、自分のスピードとセンスをちゃんと見せてくれました」

 宮川氏は、そう語った。

「だからもう文句はないだろう、とにかく早くアナウンスしてくださいよと言いました。もちろんホンダとしても、日本でアナウンスできれば喜ばしいことだと思います」

「私としても、ユウキのスピードとレースのストラテジーはどんどん大人になってきていると思います。ですから、(契約延長については)文句ないと思います」

 ただ今季のアルファタウリは開幕戦から大苦戦。ここまで角田が3ポイント、ローソンが2ポイントの合計5ポイントを獲得するだけに留まっている。これについてホンダ・レーシング(HRC)の渡辺康治社長は、アルファタウリが「体制を強化し、マシンの戦闘力強化という部分もしっかりやってくれると言っています」と明かした。

 宮川氏はこれについて、確かにポジティブな情報があると語った。

「レッドブルやアルファタウリから、そういう良いニュースがだんだん入ってきています」

 そう宮川氏は明かす。

「来年はレッドブルからもっともっと力を……テクニカルな部分でも力を入れて、アルファタウリが一歩ステップアップできるように、頑張ってくれるという話がたしかにあります」

 そんな発表があった直後の予選で角田は、素晴らしい走りを披露。予選Q3に進み、決勝9番グリッドを獲得することになった。

「それが一番大切なことでした。今週末はあんなにプレッシャーがある中で……自分にとって地元のグランプリだし、(契約延長の)アナウンスもあった。そのプレッシャーの中でQ3に上がって、しかもアロンソ(フェルナンド・アロンソ/アストンマーチン)よりも良いタイムを出して……もう文句ないですよ。ラッセル(ジョージ・ラッセル/メルセデス)まであともう少しでしたが、本当に頑張ったと思います」

「明日(決勝レース)は9位からスタートしますので、クラッシュに巻き込まれたりせずに普通に走ってくれて、ポイントを獲って欲しいと思っています」